俺妹完結に寄せて

電撃文庫において12巻で完結、というと『空鐘』が強く印象に残っています。幼馴染と異世界の少女と主人公、3人の恋の行方が綺麗に決着したからです。ファンタジー万歳。
俺妹の場合、完結に至るまでの世界はとても楽しかった。黒猫とのつきあい、あやせとの関係、ゲームの個別ルート等々…。その上で、いくらでも逃げられただろうに、最後、選んだのは凄い。しかし、事前の根回し、後処理、未来の不透明感など考えると、見開き絵の前後に掛かる労力が多いし、現実的に重い。容姿端麗スポーツ超優秀読モ&小説で稼ぎアリで妹ものエロゲ愛好家のリアル妹と、その兄「だけで」見れば、全編通してイメージし辛い関係だったなぁとしみじみ。重々承知のうえで現実と戦う、完結の「先」に思いを馳せつつ。