ヤング、なのか?

ガイアの夜明け「いま本を売りにゆきます…」純愛に泣く若者を狙え、を観る。

右肩下がりを続ける出版業界において、「セカチュー」をはじめとした純愛小説を支持してきた「ジェネレーションY」が、新たな消費の主役として注目されている。そんな中、ブームの仕掛け人やエージェントという新たな形態、「次」の作家を追う。

「Y世代」って、全く聞き慣れないんですけど、16〜25歳までの世代の事らしいっす。一応自分も範疇内ですけど…まあ関係ないっぽい。この言葉は、携帯電話をかなりヘヴィに使う人々を特に指すかと思われます。かつ、趣味の欄に「読書」と書かないような人というところか。こういった人が「セカチュー」「いま逢い」のブームを支えたのは間違いないし、実際に本を買って読んだのでしょう。
で、活字離れが呼ばれて久しい昨今、本に戻ってきた要因は携帯、ネットでやり取りされるメール、チャットetc…。文章を書き、読む作業がそこでは行われているし、携帯で読む作品がヒットもしている、と。その辺りは、概ねその通りなんでしょうねー。個人的には本の内容が文学しているかどうかはあんまり興味ないんですが、若者が読書に戻ってきた要因は気になるところ。だって、少し前までは携帯そのものが活字離れ、本が売れない原因そのものだったと思うから。それは音楽業界も同じでしょう。CDが売れなくなった、と。その流れが変わったのはネット配信や携帯の「着うた」の流行。CDの場合は相変わらず売れてはいないけど、携帯やPC経由のプレーヤーで、新旧問わず様々な音楽そのものを楽しむ形になるようになった。
じゃあ本の場合はどうなん?って言うと良く分からない。<オイ それは分厚い純文学(当社比)を読むのが流行りだから、と言ってしまえばそれまでなんですかね。例えば、単に本を買う余裕ができたから!とか。最近はパケ放題とか、いわゆる料金定額制が携帯でもかなり浸透してきているし、それこそ月何万も使うユーザーってのは、単行本なぞ読みそうにもない風貌の女子高生などが多いと思う。でもってその料金が月1万弱になるんだったら、いっちょ本の1冊2冊読んでみましょうか、って流れにはならないだろうか?…ならんか。
後、気軽に感動できる作品がヒットするのは、映画でも観に行こうかってくらいの感覚と相通じる気がしてて、それはそれで良いんじゃない?と思ってます。その一方で、じゃあ今までの自分が凄い好きで読んでるシリーズとか、巷で評判のミステリってどうなんかな?と振りかえれば、何となく暗い気分になるのは何故なんだろう。ずばり、「本が売れない」という言葉が直撃している作家・ジャンルも存在してるんだよなー、と。其処にこそ、地道な努力って必要なのかも知れない。要は、俺も買うから本屋も頑張れ!つか買うか買わまいか悩むんすよ、そこでの一押しが欲しいというか。
ちなみに番組冒頭の、小学館がヒット作連発させたという話は素直に感心したかな。手法が凄いって訳じゃないけど徹底しているんですな。帯のデザインや色とカバーのそれらしさがひたすらスタイリッシュな感じ。売るためのデザインを追求してて、事実手許に置きたくなるモノに仕上がっている気がする。いや、どんな本でもやってるかも知れないけど、より読者の方を向いているというか。また余計な事言うなら、ライトノベルの表紙と手法は似ているかも知れない。それから、そんな本を書く新人作家と編集者の間を介する、エージェントと呼ばれる人も時に存在するというにのは驚きです。講談社絡みでこういう事あるんだーと観てました。
全体通しで見て、夜明けがきているかどうか、は謎です。当然、締めとして純愛ブームの次は?って事ですし。否応なく若い世代の作品を読む事になる今後、「ジェネレーションY」はまだ本を手に取るのか?じゃあ他の世代はどうなっているのか?“大ヒットを狙う舞台裏”を追ってきた今回の放送からは何とも言えないです。