とりかえばやナイト

新刊発売まで2週間程となり、そろそろ中身が気になって来ました。タイトルからして刺激的ですからねー、今回は。何となくフィーリングカップル5対5という単語が脳裏を掠めていきました…うーんマンダム。近年のマリみてで個人的に気になっていた点は、妹問題・学園祭の演目・ロザリオ継承の3つ。ロザリオに関しては『チャオ ソレッラ!』の時に見事、疑問が氷解しました。ロザリオは新しく用意しても良いし、お姉様から頂いたモノを渡しても良いという事。
2つ目の疑問である、学園祭で祐巳主演、ゲスト祐麒でやる芝居って何だろうな?と注目していたのが『特別でないただの一日』まででした。大勢としては、ここで妹が決まるか?という盛りあがり方だったんでしょうが、個人的にはどんなお芝居するの?ってのに焦らされ続けていたんで!その結果は『とりかえばや物語』。ちなみに予想していたのとは違いましたー。で、今更ですが自分が読んだ事のある「とりかえモノ」を振り返っておく事にします。

その『特別〜』ですが、作中描写は以前に考えた通り、あっさり目。かつマッチョ系コメディ。その分、可南子の家族を巡るお話が、原作の生々しい部分を引用しているのは確信犯だと思います。そこで、女子高チックにやるならずばり↓でしょう。
ざ・ちぇんじ! (第1巻) (白泉社文庫)

ざ・ちぇんじ! (第1巻) (白泉社文庫)

題材そのものがコバルト繋がりなんかいな?と邪推の一つもしたくなりますが、この漫画は間違い無く名作であるし、「ジャパネスク」ともども山百合会の面子でやったら面白いなとは思う訳で。前にもとりかえばや寸評と銘打って妄想してました。
とりかえばや異聞 (小学館文庫―夢の碑)

とりかえばや異聞 (小学館文庫―夢の碑)

こちらは『夢の碑』シリーズがコミック文庫化したやつ。題名が独立してわかりやすい。『夢の碑』は、古今東西の「鬼」をモチーフとした傑作で、読んだ事ない人は是非お薦め。この『〜異聞』はシリーズでは珍しくハッピーエンドなのが特徴。紫子を見るにつけ、腕の立つ世間知らずなお嬢様ってフォーマットは昔からあったんだなー、と思う。
11月のギムナジウム (小学館文庫)

11月のギムナジウム (小学館文庫)

萩尾望都、ってのも今更挙げる事もないくらい有名ですけど。野郎的には『11人いる!』が思い浮かびますが、乃梨子が発言した「11月のギムナジウム」もあるって事です。やはり耽美にいくなら読んでおけと。自分は竹宮派なんであまり熱心に読んだ記憶はないっす。
Cipher (第1巻) (白泉社文庫)

Cipher (第1巻) (白泉社文庫)

Alexandrite (第1巻) (白泉社文庫)

Alexandrite (第1巻) (白泉社文庫)

『アレクサンドライト』は入れ替わりのモチーフはない(そっくりさんは出てくる)し、『サイファ』はどっちかというとカインとアベルって感じですが。サイファ・シヴァの双子が入れ替わりで学校通う、ってのはそれらしいかな。前向きな気持ちになりたいなら今すぐ読んで損はない2シリーズです。ちくしょー、好きだぜN.Y!
…とまあこんなもんです、自分の守備範囲だと。後、予想していた演目はシェークスピアの『十二夜』です。大分昔に、白石加代子片桐はいり高畑淳子など、個性的な女優が中心となってやっていた『女たちの十二夜』が凄く面白かったんです。で、これはピッタリちゃうんかいなと思った訳でして。特にマッチすると思うのは

そっくりの顔をした兄妹が生き別れた後、妹(ヴァイオラ)は男として貴族の小姓(セザーリオ)となり、ある女伯爵のもとに主人の使いとして赴く。そこで女伯爵・オリヴィアがセザーリオに恋してしまったからさあ大変!

といった筋。祐巳がセザーリオ、祥子がオリヴィアでやればピッタリの筈。で、不毛なやり取りしていたら、そこに死んだと思われた兄・セバスチャンが入れ違いにオリヴィアの元にやってくるのがまた最高に面白い。そこであっさり結ばれるのが堪らんですよ。そんなこんなでややこしくなっていくのが良いわけで、「とりかえばや」にも通じる所が多いですね、そういえば。当然セバスチャンは祐麒で…てな具合にまたも妄想を繰り広げていました。
さて、新刊の『妹オーディション』は3つ目の疑問である「妹はどうするのか?」に文字通り応えてくれる筈。今からまたもや想像したり妄想かましたり期待したりしつつ待ちたいと思います。