ひと夏の謎解き

という訳で、自分の中では既に時系列がぐっちゃぐちゃ。な『GOSICK』シリーズ最新刊、読了。もはや謎解きがどうという事ではない、フリルのかたまりがモフモフと丸く芝生の上を転がったり、子猫の怠惰な返事が如く「ぅ?」などと反応する生物が、本の世界の中とはいえ存在して良いのか!?と煩悶するくらい、ヴィクトリカはヤァバい。
ビジュアル的にも極まったほどの美しさなのですが、今回は久城クンも着物に下駄でカランコロンと、なかなかエキゾチックな装いで。それに加えて、いつもの図書館ではなく、真夏の光もまぶしい庭での語らいなどなど、夏らしく開放感あふれる舞台設定が上手いです。それでいて、特に何をする訳でもなく、ほんの少しだけの謎解きを楽しんではゆったりしているのが、妙に良かったですわ。
とにかく、個人的には完成度(満足度)・コストパフォ−マンスが非常に高い。手元に置いておきたい類の一冊なのでした。