百合押しあそばせ。

お振るいあそばせ! (ウィングス・コミックス)

お振るいあそばせ! (ウィングス・コミックス)

この作者さんのマンガを読むのは『旬(いまどき)』以来、2年ぶりなのでした。…そして早速カバーを外す不埒な行い。ユリ押し、とは斬新な単語だなぁまた一つ賢くなった!なったか?野郎同士の表紙だったら間違いなくスルーだけど。
表題作の「お振るいあそばせ!」は、女の子の友情が微笑ましいお話。先生との恋の行方も出会いとかタイミングとか、いちいち乙女チックで頬がゆるむー!まだまだ「これから」な展開が何とも清清しいのでした。
短編の「キリエの場合」「ゆうなの場合」はそれぞれ、女の子と天使・女の子と死神の物語。個人的には「キリエ」が良い!です。絶望的な表情が物凄く上手いというか。迎えを望み、拒否する姿がビシバシ感情を逆撫でていきます。「ゆうな」の方は、逆に底なしの明るさと死神のギャップが面白い。
未発表の作品も読めて、かなり傾向の違う話が集まっているのですが。少しばかりの「ありえなさ」と軽妙さと潔さが入り混じっているのがどれも特徴的。ユリ押し・女祭りなイラスト群にも目を奪われつつ。