スカイブルーで行こう!

空色ヒッチハイカー

空色ヒッチハイカー

ニヤニヤが止まらない。究極は言い過ぎなんじゃないの?と思ってた自分がバカでしたハイ。文字通り、本当に文字通りストロベリーな青春小説!
とはいうものの、これまでの単行本の作風とは少し違うというか、ほんのりと胸を温かくくすぐっていくような読後感ではないような気がします。野郎の自分からすれば、何かこう、クー!と一節唸りたくなるような爽快感があったりするんですけど。女性読者層多そうなイメージあるので、女の人は今回の『ヒッチハイカー』にどんな感想抱くのかしらん?という興味が湧くところで。
個人的には国道2号線(ニコク)を走っているのがツボでした。毎日といっても良いくらい使う道に、この作品がキャデラックが通っていったかと思うと何だか嬉し恥ずかしの気分。おまけに、ロケーション的には「スリー・ガールズ」…おもわず実際の場所を色々シュミレートしそうになってしまいました。うーん最低。
それにしても、こんな奇跡みたいな出会い無いよね…しかも激マブ(死語)年上のお姉さんなんて。なーんて思ってたら、最近読んだ伊坂幸太郎の『フィッシュストーリー』もこんな奇跡めいた車のシーンあったじゃん!と。同時代小説的には、ライトノベルだろうが一般文芸だろうが、「落ちもの系」に対する憧憬を込めた作品が一つの王道かつシンパシーを得られるパターンですね。
旅の道中に出会うヒッチハイカーとの、愉快でちょいとHなやり取りが男心をくすぐって堪らない素敵な一冊。視点のやわらかさに、いつもとは違う新鮮な空気を感じつつ。