NBA2006-2007シーズンを振り返って

  • 今季の王者はズパーズ!

スパーズファンにとって最近10年の状況は本当に嬉しい限り。また奇数年に優勝です。“提督”デビッド・ロビンソンの笑顔が久々に観られてちょー満足。ビッグ3が揃って実力を発揮すれば点取り合戦でも負けない爆発力を秘めたオフェンスとリーグ随一の「アラモの砦」デフェンスを、プレーオフで出し切れるだけの経験がこのチームにはある事を改めて実感しました。連覇こそしませんが、まだまだスパーズ王朝は続きそうな感じです。

  • キングは来シーズンこそ期待

キャブスはレブロン・ジェームスの爆発を最後まで待ち続けていましたが叶わず4連敗。子供さんの出産に立ち会った事の影響がどうこう言うより、ファイナルの空気とスパーズの圧力にアジャストするのが一歩遅かった感アリでした。パスキャッチミス・ハンドリングミスでオウトオブバウンズするわ、ダンカンにスティールされるわと最後の最後で信じ難いミスを連発していたのが、今ファイナルの苦難を象徴していたかのようでしたしね…。しかし、去年カンファレンス・ファイナルを経験して今年はファイナルと、順調なキャリアのステップを踏んでいる訳ですし来年は本当に楽しみ。

パーカーのドライブはマジ圧倒的でした。キャブス側としてはラリー・ヒューズが怪我でマッチアップしきれないのも痛かったし、プレーオフで名を上げたギブソンデフェンスに苦心しなければならなかったのも痛かった模様。加えてミドルシュートも年々上手くなっているし来年からはスリーも解禁するらしいし、ダンカン以上のスコアリング・リーダーがいる事の強みを大舞台で発揮されると他のチームはお手上げでしょう。パーカーの成長が、ツインタワー以降のスパーズ王朝継続の秘訣です。

  • SG・SFの厚み

キャブスがほぼレブロン一人のポジションだったのに比べてスパーズはボウエン、ジノビリ、フィンリーの面子でマッチアップできる層の厚さ。エースキラーのボウエンと独特のタイミングでスティールできるジノビリ、経験豊富なフィンリーとバリーまで加えれば相手方の花形ポジションに連なるスター選手を封じ込めて勝利できる方程式が出来る訳だ。

考えてみると、マブスの元ビッグ3は偉大だなーと思うのですよ。フィンリー・ノビツキー・ナッシュ、それぞれが所属するチームが今年の優勝候補トップクラスでしたし。その中で、サラリーの問題で放出されて脇役に回ったフィンリーが最初に優勝リングを手に入れたのは巡り合わせなのかも。
巡り合わせといえばノビツキーにとっては正しく悪夢だったであろうプレーオフ1回戦。レギュラーシーズン勝率8割という快挙の中、よりによって一番相性の悪いチームが第8シードに滑り込んできたのは何という皮肉。相手方の勢いに完全に飲まれたのが残念です。サンズとナッシュはやはり鬼門のスパーズにやられました。もはや因縁の相手といっても良いかも知れません。最強の矛vs最強の盾というイメージがピッタリです。スパーズさえクリアすればファイナル制覇も見えてくるだけに今後も楽しみな対戦カードと言えます。逆にスパーズは一番やりたくなかったのが恐らくマブスだったでしょうから、この三つ巴を中心とした西地区は本当にレベルが高い!

  • 混沌の東地区

西と違って良くわからないのがイースタン・カンファレンス。シャックの絶対的なインサイドが弱くなるにつれて何処が優勝しても可笑しくない状況になってくるのかも知れないです。ピストンズも今年の面子を維持できるなら優勝候補筆頭なんでしょうけど…微妙。今年はピストンズ・ヒートからレブロン中心へと移る過渡期、来年はまさにキング中心の東地区にはなりそう。しかしまだまだダントツではない、と。