境渡りの欲深き者達

第二話、完結!今回のヒロインは表紙絵の2人で、2000ページ超読ませておいて最後の最後、素晴らしい1枚絵でシンプルに収めてしまう構成力、神としか言いようがありません。読んでるうちは、めくってもめくっても折り返し地点にも届かない絶望と歓喜の入り混じった興奮状態だったのですけどねー、今は心地よい虚脱感に包まれつつニヤニヤできる再読ポイントをチマチマと漁って楽しんでいます。以下、大まかな流れと個人的なお気に入り描写を。

  • 今のところ物語の裏ヒロインは、セージュンなのにヨゴレまっしぐらな本多正純ではなかろうか?1,2巻ともに最後の一枚絵を飾る一人ですし。…2巻に関しては他2組のナイスカップルぶりとの対比が涙を誘うのでアレなのですが。女子生徒との絡みや関係も上々で、今回はホライゾンの胸をモミングしたり浅間を押し倒して欲情してみたりと大活躍。銀狼との貧乳コンビが個人的には一番好きです。巨乳だと死んじゃう一撃とかウォシュレットで攻撃回避とか、ネタまみれな肉弾戦が多いのも特徴です。このまま戦闘面でもカン違いで強いと思われてそうな勢い。

そして何より…ネタが寒い。このチャームポイント?はやべぇ。「ゴート人だけにゴーと、行く」も大概ですが「三征西班牙だけに、賛成するかと思っていたが」は全世界に向けての滑りっぷり。極めつけは「よっこらせっくす」…!堪らんですたい。本業である政治面でも、丁々発止の駆け引きに快感を覚える変態アグレッシブな攻めが良いですねー。インノケンティウスをはじめとしたおっさん連中に大モテなのも頷けます。ヒロインにして主人公の正純が物語を引っ張っていくのはこれからも間違いないでしょう。

  • 現時点で最もイラストが優遇されているキャラは、ネイト・ミトツダイラ第五特務に思えます。1巻ではΠタッチ、2巻ではアーンですよアーン!下巻に到ってはマニキュアプレイ!トーリに対する懐きっぷりが可愛くて悶えます。戦闘面では二代と並ぶガチ勢、とわかっていても銀鎖のイメージが捉え難かったのですが、今回のvs猟犬で随分見えてきました。一言で言うならネビュラチェーン、かつ日々の雑務&意思疎通もできるインテリジェンスチェーンとくれば、アラ可愛い。LOVEにいかなくても充分美味しい主従関係だなぁとつくづく思います。
  • 衝撃の東さんセックス連呼!不可抗力とはいえ、正しくも余計な知恵を植え込んだナルゼさんはナイトに、教えられた事を忠実に実行した東はミリアムに、それぞれのパートナーNTRを体験させてしまう面白ハプニング。わかっていてもにやけてきますぜ。終盤に到っては東→正純→二代経由で立花償ヌまでNTR勢に!何この勘違いNTRパラダイス。ホライゾンはホライゾンで正純に仕込まれた?「この泥棒猫!」ネタを連発してるしなぁ。こうやってパートナー間のマンネリを解消しているのですね。
  • 基本的に人型の登場人物にはカップリングが多いのですが、どいつもこいつも甘い関係だなぁ。三征西班牙側の大人組の夫婦劇など、良い味だしてます。英国側は、まとまな人間が殆どいないので人食い種×殺人鬼という心温まる組み合わせがあるのですが、立花夫婦とか葵・ホライゾンも日々バイオレンスな日常生活だったりするので「殺しあうほど仲が良い」というのはファンタジーの王道なのですね、きっと。多分嘘。
  • そして2巻でくっつく人たちですが、印象的なのは今回の主役である点蔵・傷有よりもネシンバラ・シェイクスピアでしょう。序盤の相対から終盤の舞台劇までが熱かった!ネシンバラの不敵な言動が素敵です。1巻の一般生徒に対する煽りも好きでした。言葉にする事で死亡フラグを折ってしまう逆説的な強さが好きです。シェイクスピアも意外に乙女でしたなぁ。乙女といえばチューにこだわるメアリさんも最高に可愛かったのですが、点蔵の噛み具合とかクラスメイトのアジっぷりが半端なくて、もうね。ヨゴレ系の絆が最高に熱い、って読んでる方には反則もいいところ。あー、俺も王様の流体受けて「こっちくんなよ!?」とかダチョウ倶楽部的ノリで武蔵で戦いてぇ…。一方で、アルマダの会戦相手である無敵艦隊も扱ったなぁ。昼行灯が見せた夢の超熱いこと!野球部の二番バッターがやばすぎです。
  • そんなこんなで、あますことなく活躍の場が見られて何度と無くあっち読んでこっち読んで他の本が滞りがちなのは仕方のないこと。ハッサンのカレーだけで腹筋崩壊しそうになったり、御広敷の処刑模写だけで吹きそうになったし、イトケン&ネンジの意外な活躍に合掌してみたり、皆のまとめ役&ストッパーにみせかけて暴走確率激高で正純に次ぐヨゴレ系だったりするズドン巫女に戦慄したり、普段の言動とは裏腹に戦闘面では「あれ、無敵じゃね?」という賢姉に賞賛を送ってみたり、セシルとダッドリーがただの英国側の人外と思いきや信念が美しすぎて思わず涙してみたり、とりあえずお前はハムスターかと言いたくなるバカっぷりを見せ付ける女酋長・本多二代…の蜻蛉切に萌えてみたり、本当に読んでて忙しい。だが、それがいい。次にも大いに期待を寄せつつ。