ライトノベル百選

と、いうフェアは現実的に難しそうですね…とぼんやり思う。こういう時はまだ「ファンタジー」の方が通りが良いかも知れないかな。

ならば断然、後者の方が響きが良い。ただしファンタジーと銘うつと、ハリー何たらとかナルニあ?国がどうのとか、ライトノベルと混ぜても良いのか難しい小説もわんさかカテゴリー内にあるのでこれまた頭を悩ませる感じ。ここはやはりレーベルごとにやるのが一番なんでしょうが…ライトノベルという一括りのジャンルで出版社を跨いで考えるのが「まだギリギリ」楽しい、と思えるくらいの規模ではあるし。うーん難しい。
まあ、昨今ライトノベルがブームであるならば、過去の電撃作品やら富士見作品やら角川スニーカー作品やら、名作と思しきモノをピックアップして、業界の地盤固めでもしたらどうでしょうかね?もうすぐ夏ですし。夏といえば夏休みですし。夏休みはなくともお盆休みがありますし。そこで本を読めコミケで読め、と。正直、昔のラノベって売れないだろうし古本屋で100円で売ったりしてて切ないんですけど!それでも、本屋さんで「夏イチ」「yonda?」などと帯のついた小説がずらりと並んでいる様は、結構好きな風景というか。見て眺めて楽しむというか。文庫が重ねてきた歴史を感じるというか。ライトノベルでそんな郷愁を誘うようなフェアがあっても良いんじゃない?と思うのですけどねー。
最近読んでて思うのは、かなり刹那的な作品が多いような気がするのです。読んだ後にフっとぼんやり「あっち」の世界を空想するという感覚は、どうにも薄れがちで。どちらかと言えば、肉体に訴えかけるような快楽が多いかな、と。それはイラストの傾向だとか「萌え」という感触だとか、つまりは型にはまった面白さが溢れ気味なのではないのかな?とも思います。そこで、天邪鬼というか原点回帰というか、拙くとも古臭くとも昔の作品にまずは触れてみる!そうする事で少しはリフレッシュして、また心新たにファンタジーもSFもライトノベルも楽しめるかも知れないし、そうなったら良いなと願いつつ。誰かやって下さい「ラノベ百選」。<結局他人まかせですか!
自分が今やるなら↓こんな感じで。

と、まあごくありがちな選書に。電撃のみの「真夏のファンタジー」で10冊前後。amazonで昔から辿っていったんですけど、その行程で色々と思う事も出てきて訳ですよ。
まず1つ目に思ったのは「ブギーポップ」以前の作品は数も少ないし、正直レベル低い。デジカメなども最初出た頃には酷い画質で散々な言われようだったんでしょうけど、ちょうどそんな感じなのかも。クリスタニアは電撃におけるロードス的な位置なので。話自体が繋がってますけど!
その後、ブギーポップとその他な時代になるのか。まだまだ見渡せるくらいの作家陣ではあったし。三雲 岳斗などは電撃作品では普通ーな感じで読んでいました。
そしてブギーからキノ・ダブルブリッドなどが共存していく中、「イリヤ」が登場。この作品でもってファンタジーは面白い、電撃だけど普通にお奨め!といった評価が得られるようになったんじゃないかな、と。 一つ楔を打った作品。
で、2002年頃から電撃の毛色が変わったように記憶しています。シャナ・キノ・イリヤ・Missingなどのシリーズに加え、個人的には「つまんねぇー!」と奇声を上げつつ読んでた(読んでたんかい)タイトルも続々と長編化していて、ボリュームが増えたなぁ思うと同時に追い切れなくなったのがこの頃。
そして2003年にはドクロちゃんが登場。電撃では阿智 太郎くらいしかいなかったお馬鹿系に新風を運んできた存在…かも。少し螺子の締めつけが緩くなって、世界観が広く薄くなったという印象。その一方でキーリ・バッカーノといった新世代を予感させる文章の切り口も増えてきて、「ライトノベルといえば電撃」という形をつくったのも今からして思えばこの辺からか?ただし当時はまだまだ反応速度が低いというか。まだまだ「知られざる作品」は存在していたと思います。
2004年になると、ブギーポップという看板からは確実に世代交代していて。個人的にか「空鐘」シリーズしか見えてなかったのでイマイチ印象薄い年なのですけどね。月ごとに10を越すタイトルが出たりして、とてもじゃないけど読めない!でも読んでた!<オイ …て事は内容が重厚なのって少なくなってきた、という事なのかな?そして2005年になると、これまで食い合わせが悪かった純文学・ミステリなどの要素も取り入れつつさらなる世界観の広がりを見せようとしている…のでしょうかねー。
そんなこんなで、これまでの電撃読書遍歴を振りかえっただけのような気がしないでもないですが。最終的に感じたのは、「またこれから」という事。ブギー以前のつまらなさとイリヤ以降のつまらなさは、何というか、質が違う。まだ方向性もつかめず答えにも辿りつけない時に比べて、今は本当に安定しているかも知れない。これが逆に「ありがち」でつまらないという事にもなる。それならどうすれば良い?と言えば、また何処かで答えを見つけるしかないのでしょう。そんな事を期待しつつ…また明日もライトノベルを読む日々。未だにラノベという単語は好きじゃないけどね。