トランジスタ・グラマー、あるいはメイドに水着。

ROOM NO.1301 しょーとすとーりーず・わん (富士見ミステリー文庫)

ROOM NO.1301 しょーとすとーりーず・わん (富士見ミステリー文庫)

うーんあざとい。表紙イラストは、一見劣情を抱くようなセレクションに見せかけて、昨今のメイド=不可侵なるものという通念…つまりはエロなしであるという、今巻のコンセプトを余すところなく表現している、というのが素晴らしい。でもエロいよ?
短編集という事ですが、蛍逆襲への布石とか、鈴璃とうとう顔出しとか、次巻以降への期待を持たせるお話と言えるでしょう。一つ気になったのはやはり「アヤヨ」さんですかねぇ。綾とはもうないと誓っている健一ですが、こっちならスイッチ入れてOKなんじゃないの?という下世話な発想してしまうんですが!まあ、それはともかく1301の面々を客観的に見るというか、状況を整理してくれたとも言えますか。何やかんや言って、有馬さんと健一はいちゃついてると思うんですよ、傍から見れば。綾との関係も、アヤヨが出てきた事によってまた前進するかも知れないし…そう考えるとただのポッと出キャラではないのかな?
読んでいて、本編よりは落ち着いていてむしろ良かったんじゃないの?と思う反面、H!H!H!H!H!くらいに煽られる描写がないのは片手落ちとも感じるような。そんな、短編集というよりはある意味総集編、とも思える一冊なのでした。