きつね→ねこ→虎太郎→ウラジミール。

一つの大きな感動に欠けると感じたのは、個性豊かなキャラクターがヒロインごとのルートでまんべんなく活躍しているから。それは言い返せば、どのルートも繰り返して楽しめるという事かも知れない…トーニャルートを延々リプレイしながらそんな事を考えてたり。
1回目の感想はヒロインについてつらつら書きましたが、このゲーム、言うまでも無く男性陣も熱かった!困った事に、殆どのキャラが脇に回ってくれない。しかもその活躍ぶりは、双七が目立たないのも納得の格好良さ。そんな中で誰を選ぶと言われたら…自分は、一等、ウラジミールです!
根拠:炎の守護聖。以上。プロペラというメーカー買いをしている大半の理由が声目当てなどとはかなり不純なアレ理由ですが、一つ言っておきたい。何故に「あんな役」ばっかなの!?、と。オスカー様ばりの格好良さを期待してたら、変態オヤジ役だったとは!うう、緑川某とか子安某は普通に二枚目キャラ@エロゲなのに…。まあ本人が変態オヤジ?だから仕方ないのかも知れませんが。と、いう訳で女性の方でアンジェリーク好きで炎好きでエロゲもこなす、そんなレアな人がいるならば是非「あやかしびと」の感想を聞きたいものですが、さて。
後、妙にはまったのはすずが初めて人前で狐に変身解除した時。「コン」という台詞で音声連打!連打!連打!うーん狐満喫。
そして。外せないのは虎太郎とネコマタのエピソード。ほんのちょっとした思い出なのに、読んでて涙が止まらなかった。猫好きにとっては反則も良いところだと思うのです。「AT」の、詩希と猫くんのお話と好対照な感じじゃないでしょうか。
他にも、細かい所細かい所で楽しめる文章が練り込まれてて感心しきり。後は、何を選んで何を捨てるのか…そういうレベルの問題なんでしょうかね?あざとく演出すれば痺れる傑作になったかも知れないけれど。あえて原石のまま投げ込んできたようにも思える作りも良いもんです。
そんなこんなで一言で表すなら、隅々まで堪能できる、珍しいタイトルという感想。伝奇モノはちょっと…と言うなかれ、かなり王道を走る学園コミカルラブストーリーですね。逆に、人と妖と人妖が織り成す一大スペクタクル巨編という一見イメージのままプレイすると肩透かしを食う事もあるかも知れません。各々好みのヒロインに突撃して時に悶え、時に燃え、時に泣くのが吉かと。ちなみに、肝であるところの18禁部分は存外にというか人外にというか、かなり濃ゆいというのもポイントですか。悪党が結構な活躍しているので、そういうキチク好きな人も満足できるってのは設定勝ちですわ。狐の可愛さとか、ゾンビの可愛さに目覚めたい方にも、是非。