お返しに、この目この耳この鼻を。

永遠のフローズンチョコレート (ファミ通文庫)

永遠のフローズンチョコレート (ファミ通文庫)

Kantei.amをやってみた結果、自分のラッキーライトノベルは『春は出会いの季節です アルテミス・スコードロン 』となりました。何て偶然!ちなみに点数はちょっと左寄りの55点。しかしラッキーライトノベルって響きが良いなぁ。
という訳で、個人的にはタイムリーな一冊となった『永遠のフローズンチョコレート』なのですが。ジャケ買いしたら実は気になるあの作者、といった感じとも相まって、読む前からかなりお気に入りの一冊でもあった訳です。
お話自体は…真祖と死神と女子高生と嘘とSEXとビデオテープ、みたいな。ビデオテープはない。それよりも「ライトノベルがある世界」を読むのは結構新鮮で、主人公がスポルディングの大きなバッグを使っていたり、奇妙な笑顔をしてみたり。「出会ってしまった」女の子が「私を殺した責任、取ってもらうからね」などと明らかに元ネタ知ってます的に話すところなど、かなり挑戦的な作者の意図が面白いんだか不謹慎なんだか。自分はこんなイタズラ、嫌いじゃないです。コンテンツの題名にも我孫子とか舞城入ってたり、かなり現実のネタが多い感じ。
女子高校生の殺人という日常を全体的なテーマとして、淡々と描ききっているのが評価の分かれ目になりますか、な?まあアルテミス・スコードロンでも結構重い書き出しだったし、一風変わった作風なのは確かかと。最近「殺された側」の事をつい思ってしまう、理不尽な殺しのシーンに腹が立つとか、最近オルタをやって感動しました!という人にはあまりオススメできないかもなーとは思いました。というか、モロ自分の近況なのですが。はて?
破滅的な一線を越えずに続く理保と基樹、二人の関係には確かに「永遠」という言葉が似合うかも知れないな…などとぼんやり思いつつ。