新世紀都市救世主伝説

コスプレ幽霊 紅蓮女(ぐれんオンナ) (『このミス』大賞シリーズ)

コスプレ幽霊 紅蓮女(ぐれんオンナ) (『このミス』大賞シリーズ)

あまりのインパクトに思わず手を取った作品なのですが…意外と面白い。何といっても馬鹿馬鹿しいことは全力でやるのがポイントで、数々の必殺技を駆使して世間の夜を驚かしてまわる紅蓮女の用意周到さが凄まじい。ていうか、48の必殺技を持つ幽霊て。基本となるのは「紅蓮演舞」という技で、派生技として紅蓮演舞・星地雷(スターマイン)や紅蓮演舞・暴流(ボウル)などのバリエーションが!解説つきで、ファンタジーじゃないよ?妙なリアリティを含んだ展開に、「アホか!」と突っ込みながらも笑っちまいまさぁね。
そして気が付けば、紅蓮女の愛と成長を綴った物語になっているのがアラ不思議。何だか良い感じにまとまった話にしているのが凄いなーと、思わず感心したのでした。今宵も京都のどこか、血塗られた怪奇現象を食らう「望霊」が誰かを脅かしては救う、暗くも痛快なお話に乾杯。

ブギーポップの生足が妙に艶かしい、という新鮮さ…はさておき、小説界の中では今や最も有名な都市伝説であろうブギーポップの最新刊。紅蓮女と、今回の能力者の「ワン・ホット・ミニット」、表向きの発現能力も似てるっちゃあ似てるので比較比較ー。…何故だか紅蓮女の方がよっぽど凄いような気がしてきたなぁ。普通の人間があそこまでやってる時点で。
さておき、『オルフェ〜』の内容なのですが。良くわかりませんでした!終わり。うそ。とにかく最近の傾向として、世代交代?を迎えつつある組織の迷走っぷりが、ブギーポップ?構ってる暇なし!みたいなお話に持っていきがちかと思われます。そこに行くと、今回はブギーポップと久々のショウ・ダウンな展開で、本筋だけど本筋じゃないような、一話完結めいた昔の様相が懐かしかったです。
非常にシンプルなお話なのに、もやもやとした読後感はさすが、このシリーズ…って、一応褒めているのですが、とにかくビジュアル的に良さげだったのが個人的には嬉しかったり。春海の不適な笑顔とか、表紙絵との対比がなかなかイカスなぁー、と思いつつ。