ビロング・トゥ・タイガー

とらドラ〈3!〉 (電撃文庫)

とらドラ〈3!〉 (電撃文庫)

前半部分のイライラもやもや感を、最後の最後でひっくり返す爽快感。手乗りタイガーこと大河の可愛さ、ここに極まれり!な描写が良かったです。対する「外面美少女」川嶋亜美の本性は、自販機横での逢瀬に限っていえば少し水気のある魅力を醸し出していて。本気とも冗談とも知れぬ素顔が、素直に響くという複雑な感触…とでも言いましょうか、表向きの仮面美少女にはない部分が良ろしいです、とても。
で、表同士のタイガーvsチワワになると、何かこう殺伐としてギスギスとしていたたまれなくなるのが対照的。クライマックスに向けた「溜め」がなかなかしんどい印象はあります。妙にリアルな凹みキーワードが多くて危うくもあったり。
そんな中、2巻で躍進したみのりんは、今回も暴走気味の爽やかエロス行為が光り輝いていた…かも。特に、仲裁のために敢行した「あーみん!ちゅっちゅっ!」の威力は抜群。その他、ポセイドンちっくに抱き上げあーみんなど、美少女センサーに引っかからないと言ってた割にはご満悦なみのりんに乾杯。語尾の、かな?かな?で声のイメージが固定されてしまったのは自分だけでしょうか、と。
とまあ、総じて大満足!なのでした。怒涛の一学期がこの騒々しさ、しかし夏休みは「全員、片思い」なハチクロ風味の甘酸っぱい展開が待ち受けているのでしょうか?恐らくは、「全員、勘違い」的複雑怪奇な五角関係のバーリトゥードinあーみん別荘になりそうな予感を覚えつつ。