秋吉さん家の恋模様1

秋吉家シリーズ完全版 1 (花とゆめCOMICS)

秋吉家シリーズ完全版 1 (花とゆめCOMICS)

今の今まで気づいてなかった!と反省しきりの完全版秋吉家シリーズ。花ゆめ関連のコミックで、このような形態をとって出版されるのは非常に珍しいと思いますハイ。デビュー当時からほぼリアルタイムで読んできた漫画家さんだけに、驚き以上に凄く嬉しい気持ちになりました。
まずは、懐かしみながらも改めて読むと感心するほどの…ギャグセンス!コメディ部分の描写力は素晴らしいの一言に尽きます。それでいて、「ラブコメ」にはならないバランス感覚があるのが特徴。あくまで、恋物語として読ませているなぁと思います。ていうか、この人の場合あとがきの「日高万里の日常天国」の方がよっぽど笑かしてもらえますので。
①に収録しているのは末っ子・零の淡い初恋を描いた連作と、次女・百華と三女・十波の読みきり、長男・千鶴のシリーズ連載。千鶴は6年越し、百華は4年越し、十波は1年限定と、随分気の長い兄弟姉妹と当時は評判に?なったり。零ちゃんと美夏の関係も、高校生になってまた色々あるみたい!なので、やはり秋吉家=気の長い・辛抱強いという血脈ではあるようです。
秋吉家姉妹のみに限ると、三女・十波のエピソードが一番好きでした。同じ時系列の『日だまりの楽園』を加えたセピア色の世界観が良いです。キャラ的には次女・百華がツボ。クールビューティな性格と意外に乙女な心持がグッときますわ。長女・万葉は…『セカキラ』長期連載の中での変化と、秋吉家初期設定の変更で結構七変化な人、なのが面白いのは面白いというか。そんな女性陣に、色々影響を受けた末っ子・零ちゃんは一番美味しいキャラと言えます。十波に溺愛され、性格は百華・容姿は万葉譲りの格好良さ。将来が楽しみ…ていうか零ちゃんメインの話をもう一度、激しく希望。