空ノ鐘・ブルー

空ノ鐘の響く惑星で〈12〉 (電撃文庫)

空ノ鐘の響く惑星で〈12〉 (電撃文庫)

空鐘』シリーズでのメインヒロインはどちらに凱歌があがるのか?結末はさて置き、フェリオが最初に答えを示したのは、空色の髪の少女でした。
ウルク派の方々、まずはおめでとうございます。204ページの一枚絵は、輝かしくも甘く切ない2人のキスシーン。リセリナ派である自らをして、祝福せずにはいられない程の素晴らしさが…。正妻というイメージはやはりウルクにこそふさわしいです。
しかし思えば、ウルクはどこで死んでもおかしくない道のりを歩んできてるよなー、と改めて思うわけで。レージクとの王位継承を巡る内乱の時はまだしも、フォルナム神殿の危機に際しての内偵めいた行為がばれた時には「終わったかも」と思ったものです。まあその時イリス達に受けた拷問がかーなり艶かしくて、それはそれで良いかもと不謹慎なアレがその何でして。その後に洗脳されて、洗脳が解けた直後に廃人一歩手前の状態になって…洗脳時の人格と合体してパワーアップした時なんか驚きましたよ正直。ウルク復活!ウルク復活!と言いたくなるのはお約束。フェリオとの関係も危機を乗り越える度に深くなっていくという王道展開も、最後まで気の抜けないハラハラ感と共に最後まで続いたなーという印象です。
そんな危機の連続と隣り合わせに見せる、恋心というか頬を染める描写はもう。凄い破壊力で!何といっても4巻の「傍にいたい」発言が!婚約者のフリから一連の流れは良い!の一言。酔っ払ったときもスゲーの何の。とにもかくにも、彼女が贈った『生命の輝石』の導きで還ってくるクライマックスまで、可憐な生き様を見せてくれた事に感謝しつつ。