春と鬼
春に来る鬼 ~骨董店「蜻蛉」随縁録~ (B's-LOG文庫)
- 作者: 日向真幸来,柴倉乃杏
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/10/14
- メディア: 文庫
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それプラス、ジャケ買いで。HJ文庫の初買い作品であった『TOY JOY POP』同様、少し気になる絵師さんかも。
中身は、男同士の美味しい描写が…という訳でもなく、骨董・民俗学・舞踊の要素が満載で。京極堂やQEDシリーズなどに見られる、専門的な知識のバックボーンに支えられた「濃ゆさ」が好きな人にはオススメ。
そして、名古屋まわりの郷土性をふんだんに盛り込んでいるのも興味深いです。「尾張棒の手」など、関西人にはとんと馴染みのない棒術を使う女性が登場したりと、キャラクター設定もかなり個性的、かつ魅力的。個人的には、名古屋の高校受験について一番ビックリしてんすけど。最後はくじ引きで配属される学校決まるって本当なんでしょうか!?思わず『くじアン』思い浮かびましたわ。
構成としては、過去編の部分がそれとわかるように縁取りされているのが綺麗な装飾。大概は黒で縁取りが多いかな?さて置き、過去編が思ったより長い印象が。鬼の伝承を明かすには必要な部分ですけどね。現代パートの抑え方とも相まって、しっとりとした読後感ではありました。『隅田川』はツボというか、好きな演目ですけど…結構唐突な展開でさぁね。
これからシリーズ化するなら、それぞれのキャラ設定の豊かさが凄く活きてくるであろうかと思われるので期待大です。ボクトツ眼鏡&ハンサムおねえ&瑞穂での探偵もしくは謎解き稼業をほんのり希望しつつ。
- 作者: 浅井ラボ,柴倉乃杏
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2006/08/29
- メディア: 文庫
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作品的には、なかなかのカタルシスが爽快で。ノリを…そう、ノリさえ許す事ができるならば最高に面白いとさえ言えるかも。万人向けじゃない「表向きさ」加減がたまらんですね。あと、ふと思い浮かんだのは吉田修一の『パレード』。ちょいセンセーショナルな部分が似ている…のか?どうか。ウニョルゲ。