2006年下半期ライトノベルサイト杯

上半期に引き続き参加です。シリーズものと新作ものに分かれての10冊、なかなか選びきれなくて困りましたが一応決まりました。個人的なキーワードというか構図としては「シリーズ=電撃」だった模様。

  • 単発部門 

TOY  JOY  POP (HJ文庫)

TOY JOY POP (HJ文庫)

【06下期ラノベ投票/単発/4894254565】
2006年度において一番ハマッた作品と言っても過言はない一冊。実に良いですこのように捻くれたような設定と、メタなのかベタなのか爽やかなのか混沌とした内容。各キャラの抱えるジレンマが、フクサークルという表向きゆるやかな集いの中で交錯していく様…その辺、楽しみつつバカにしつつ何回も読んでしまいましたよエエ。
個人的なツボとしては、演劇サークルを一つの軸としている部分。遠藤浩輝の短編マンガ『神様なんて信じていない僕らのために』を彷彿とさせる面白さがあるので好きです。ある種、文系サークルの理想像を描くという面では『げんしけん』などにも通じているのかも知れません。前にも書きましたが、オススメじゃないけど超オススメ。
空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)

空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)

【06下期ラノベ投票/単発/4829163615】
読んだ当時の感想はこんな感じ。読後感が素晴らしく良い!こういう本に出会うと「あー、ライトノベル読んでて良かったー」と嬉しくなるような…そんな類の爽快感がありました。上手く言語化できないのですが、ラノベだからこそのバランスで面白くて意外性もありで…という部分を実感したいならば、是非。
悠久展望台のカイ (MF文庫J)

悠久展望台のカイ (MF文庫J)

【06下期ラノベ投票/単発/4840115729】
現役高校生が描く「世界」と女の子の物語。特別な2人が、もう一つの恋愛模様に絡む展開というのは最近わりかし多い気もしますが、『カイ』の場合は少しビターで少し痛くて…やっぱり少し切ない。最初と最後の繋がり具合がお気に入りです。
春に来る鬼 ~骨董店「蜻蛉」随縁録~ (B's-LOG文庫)

春に来る鬼 ~骨董店「蜻蛉」随縁録~ (B's-LOG文庫)

【06下期ラノベ投票/単発/4757730136】
郷土特有の薀蓄が満載で、『QED』や『京極堂』シリーズ好きには是非オススメしたい一冊。読んだ時の感想はこんな感じ。「ボクトツ眼鏡にハンサムお姉」という煽り文句が、2人の睦み合いを連想させて覚悟していたのですがBLじゃありませんでした。むしろヒロインを含めた3人の探偵シリーズで続いてくれると嬉しいな…と思うほど。
電撃を始めとしたラノベ特有の文体とはやはり少し作法が違うといいますか、コバルトなどの乙女向け少女向けな雰囲気を楽しむのもまた一興。そういう意味では『マリみて』好きにもちょいプッシュな感じ、かも。
ガジェットガール (集英社スーパーダッシュ文庫)

ガジェットガール (集英社スーパーダッシュ文庫)

【06下期ラノベ投票/単発/4086303361】

俺の姉さんはロリで本!?

OK、掴みはOK。『ローゼンメイデン』好きにはピンとくるものがある…かも知れないです。マンガ読んだ事ないので責任は持ちませんが。
内容そのものは実にシンプルかつお約束。後はとにかく挿絵が素ー晴らしい!コーラを飲んだ事のないロリで本で「〜じゃ」口調のお姉さんが好きというピンポイントな嗜好を持つ方、まさしく「一冊」どうでしょう。

  • シリーズ部門

空ノ鐘の響く惑星で〈12〉 (電撃文庫)

空ノ鐘の響く惑星で〈12〉 (電撃文庫)

【06下期ラノベ投票/複数/4840235899】
文句なしにダントツ。まさに堂々完結ですよ本当に。近年の電撃で、このシリーズを軸とする事ほど幸せな事はなかったかも知れないです。読者の「続きが読みたい」という願望に対して一度も裏切らなかった刊行ペースには、ただただ感謝を。
今や各レーベル共通で看板作品は「ヒロインの物語」になりつつある中、「物語のヒロイン」の魅力を存分に発揮していたのが特徴の一つでしょう。ウルクとリセリナという2大ヒロインの結末…特にラストとエピローグの空白期間にどれだけのエピソードが詰まっているかを想像するだけで、完結どころかまだまだ大いに楽しむ事ができる筈。
そしてパンプキン。まさかのパンプキンですよ。おまけにシア。反則です。反則といえばイリス。ツンデレの極致に至る様は、シリーズ後半のヒロインにふさわしい。その他、物語の登場人物一人一人が本当に魅力的で…今からでも遅くは無い、是非是非丸ごと味わって欲しいシリーズです。
私立!三十三間堂学院〈4〉 (電撃文庫)

私立!三十三間堂学院〈4〉 (電撃文庫)

【06下期ラノベ投票/複数/4840235201】
空鐘』が完結した今、次に最も期待しつつ読んでいるシリーズが『三十三間堂』です。読んだ当時の感想はこんな感じ。ハーレムものにあざとい設定、しかしどうにも熱いんだよなぁ中身が。恋の駆け引きは戦略ゲームの様を呈しているのに、最後の最後はひたむきな感情を剥き出しにするヒロインと主人公のやり取りが凄く良いのではないでしょうか。長期シリーズ化希望。
天使のレシピ〈2〉 (電撃文庫)

天使のレシピ〈2〉 (電撃文庫)

【06下期ラノベ投票/複数/4840235147】
またまたエローい!以上!【06下期ラノベ投票/複数/4840236690】
機会があれば懲りずに薦める榊ガンパレに榊ガンオケガンオケ三部作の中で特にお気に入りなのは「緑の章」。読んだ当時の感想はこちら。闘うヒロイン・安藤美姫の強く美しく健気な姿がとにかく良い!年内に三部作読めた嬉しさもかなりのポイントですが。できればガンオケでもう少し読みたいなぁ。どうなんでしょう?【06下期ラノベ投票/複数/4840235562】
空鐘』が華々しく完結していく中、静かに幕を下ろしたシリーズですが…個人的には見逃せない作品なので一票入れておきます。特にラストもラスト、最後まで読んだ人に贈るかのようなボーナストラックな展開が少し嬉しかったです。もっと早くにあざとくできたのかも知れませんが…何よりも特徴的だった表現方法、嫌いじゃなかった。ただし、読んでて相当気恥ずかしくはなるのですよ、どうしても。
そして限られた枠の中で貫き通した兄と「妹」の恋愛模様が、なかなか印象的。実に電撃作品らしい香りの中、お疲れ様とともに残された「続き」を夢見つつ。