恋という災難ほど、厄介で楽しいものはない
- 作者: 来楽零,さくや朔日
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2008/01/10
- メディア: 文庫
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そして何より良かったのが、主人公・如月が恋する美少女・雛田の「恋愛できない体質」の変化について。ごく普通に主人公を好きになっていくという展開ではなく、いわば後付けの、惚れ薬を飲まされたかのような恋心の発露…だけならば、これまたお約束なのかも知れませんが、「後付けの恋心」と「恋愛できない今までの自分」が同居している状況で、己の恋心を楽しむ…ここに妙な爽やかさと切なさがあって。メインキャストの誰もが同じ状況下なので、ドタバタありの喜劇にもなるし、すれ違いありの悲劇にもなっていきましたが、ラストは何ともほんのり暖かく。苦味ばしらない「味」があるなーという作風です。
お芝居もの、というと丁度去年の今頃に読んだ『声で魅せてよベイビー』という作品と似通った部分があるなぁと感じたので、読んだ事のある人には少しオススメ。個人的には村上さんに胸キュン。もちろん『ロミジュリ』後にも影響を残していて、ほんのりとしたハーレム展開になると良いよなぁ…と妄想しつつ。