さようなら、お姉さま
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/12/26
- メディア: 文庫
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そして、色々と語りたくて仕方がない場面だらけで、逆に言葉にならないと言いますか。それだけのオールスターキャストなんだよなぁと。やはり先代薔薇様の絡みは最高に良いし、笙子と江利子のちょっとした会話とか、ちさとの意外なる活躍とか、いちいち面白くて堪らない!そんな中でも印象深いのは「呼び捨て」にまつわるエピソードですね。
祥子と令の関係はとても素敵で、戦場においては安心して背中を預けられるような間柄、というのが個人的にしっくりくる認識です。それだけに、初めて「祥子」「令」と敬称なしで呼び合うお話が披露されるとは!当たり前のように思えた部分も、こんな舞台裏があったんだなと思えば新鮮でした。それにしても、白薔薇さん家の聖ちゃんは!という微笑ましさ。当時の悲しみは深くても、本質的な性格はやはりアレなんですね…とニヤニヤできます。
ところで呼び捨てエピソードというと、妹の祐巳・由乃も負けてはいません。むしろ、破壊力においては由乃の方が上だと思います。本当に胸がキュンキュンってしたよ!しかし、あの場面で呼び捨てが定着しなかったのは実は痛かった?祥子・令のお話からするとタイミングが重要なのは間違いないし。でも、祐巳たちは3人で一組だから、目指すのはむしろ先代薔薇様の関係。志摩子さんあたりが自然と呼び捨てしそうでもあるし、由乃が強引にやりそうでもあるし…これから先のお楽しみなのは間違いないかと。
最後は由乃が菜々を妹にして、全ての物語が消化された…かどうかは読む人次第でしょうか。個人的には新たなる展開を早くも期待しています。その一方で、マリみて完結の余韻にほんのりと浸りつつ。