仮店舗でエスニック・ホスト探偵団

インディゴの夜 ホワイトクロウ (ミステリ・フロンティア)

インディゴの夜 ホワイトクロウ (ミステリ・フロンティア)

知らない間にシリーズ最新作が出ていたので思わず購入。今回は作品全体を通してエスニックな味付けが施されているのに加えて、何らかの「印」が仕掛けられていて面白かったです。本として読むのも勿論面白かったけれど、連作集としてのコンセプトが綺麗にはまっていて。手元に置いておきたいコレクターアイテムのような感覚でした。
ホスト探偵団としての働きや謎解きぶりは、前半がプライベートな事件で構成されているために目新しい要素はなかったのですが、個性的なホストの人物像を掘り下げていくという展開は、続き物としてはアリかなといったところです。そして、最後の物語がそれまでの点を少しずつ繋げて一つの形に仕上げていく…わかりやすいけど、型にはまらないキャラと街の「いま」の風景はやっぱり新鮮だなぁと思います。
そういえば、一時期ほどホストたちの華々しい特集なんてものが減ったようにも思えますが実際のところどうなのでしょう?作中においても、王道な「あの人」がいなくて少し寂しかったりしたのですが。もし次回作があるならば、その辺の王道ストーリーの「いま」を描いてくれると逆に面白いんじゃないかな?とも思いつつ。