恋した話、しようか

恋の話を、しようか (ガガガ文庫)

恋の話を、しようか (ガガガ文庫)

読んでた時には全然気付きませんでしたが、帯をとって表紙の全体像をみると、ネタばれじゃないネタばれ構図になっていました。読む前に気付いたとしても、それはそれで楽しめる内容なのが小粋というか憎いというか。イラストと本文を上手くいかした演出だと思います。
説明する必要もない恋のお話なのですが、個人的なイメージとしてはあすなろ白書…のような。や、中身は別物ですけどあくまでイメージで。ちなみにドラマ版の。ここでハチクロと素直に出てこないあたり、世代的な思考回路の差でしょうか。ハチクロになるのは、むしろこのお話の後、でしょうね。女の子の片方は芸術系な訳だし。そういう意味では、恋をする・好きになる始まりの物語でした。最後の最後、恋の所為ですれ違いにならない「停電仲間」という絆がとても素敵で。
どんな組み合わせになっても良いと思える4人の関係性は、まさに「幸せ」。あれこれと結末を考えてしまいたくなるのは仕方ないのかも。普通はなるべくしてなるカップリングと、横恋慕するサブヒロインという組み合わせが多いですからね。読み切りとしてもその方がすっきりするし、シリーズ化したらサブを押し上げつつ…な展開にも持って行けますし。そういう意味では贅沢な読後感というか、もう少し読んでみたいというか。でも、このままが一番綺麗かな…と色々恋の「始まりの終わり」を想像しつつ。