ゴールデン・ステイト・ウォリアーズ

ラッシュライフ (新潮文庫)

ラッシュライフ (新潮文庫)

オーデュボンの祈りに続く新潮文庫第2弾。実に様々な人間が交錯する騙し絵の如き1日を描いた内容は、1作目と同じ匂いを放っているようにも思えました。奇妙な感覚、何処と無く気持ち悪いようにも鮮烈でもあるような…重力ピエロで「クワー!」と叫びたくなるような爽快感がまだまだなくて、暗く光っているのがまた面白い。
また、最後はそれぞれのオムニバスエンドで締めるのかと思いきや、オーデュボンに勝るとも劣らないクライマックスには興奮しました。それぞれ一般感覚としてあり得ない状況と、その答えが待っているというか…何も無い事と犬と拳銃と。凄い化学反応が起きたなーという感じ。
と、いう訳で普通に檄お薦め。仙台を舞台にしているのがまた印象的で、最近は何のてらいも無く地方のディープな描写が入るし、またそれがエッセンスとなる場合が多いのかな?長崎なら吉田修一、福井なら舞城王太郎、仙台なら伊坂幸太郎といった具合に。あくまで自分の狭ーい読書範囲の中でしか言えないのですが。二次元業界における「聖地探訪」なども同じ時流に乗った現象なのでしょうか?少し興味が湧くところ。