届かない明日より 触れられる現在を

サは白鐘沙羅のサ。双子の婚約者、どちらかが選ばれる運命。16歳の約束、単純に考えて結婚できる年齢という事でしたか。青白い月夜の下で眼差しを向ける2人に「明日じゃ駄目?」とは、少し笑えます。しかし、言い様のない圧迫感というか、ちょっぴり怖かったっす。
婚約者も普通に良い男っぽいですけど。コーヒーはブラックで、というのは何かの対比かな。事情はでかいが煮え切らない恋太郎と沙羅双樹、雨のシーンは最後の日常になるのでしょうか?双樹と恋太郎、そして沙羅の運命や如何に?で続く、か。
お話は、ちぃーとばかし暗かったのですが…今回の展開でますます、とあるゲームを思い起こす事になったのはタイムリーというか何というか。
言うまでもなく「マブラブ」というタイトルの美少女ゲーム。もうじきオルタナティブの名を冠した「続編」が発売、との事で名前からして似ているのは不思議デスネー。
内容について語り出すとキリがないのですけども、マブラブの主人公・タケルの最終局面における態度というのは、割りと好きだったりする訳です。考えてもみれば、冥夜が現れてからのごく短い期間に人生の選択を迫られたタケルの境遇というのは過酷といえば過酷であり、そこでキチンと答えを出したのは感心するし感動したのでした。しかし唐突過ぎる展開と選ぶにはあまりに少ない時間が、どうしても引っかかったのは事実です。
一方、境遇は違えど恋太郎に沙羅双樹に公彦と、時間のままに関係を築く訳には行かない人間関係というのは同じ種類の苦しみがあるかと。オール・オア・ナッシングにしかなれないのに、男2人で女2人というのが、二組に分かれてしまえばOK(ワタシが退けば良い的に)もあり得るだけに余計つらい。どう、選ぶのか。踏み込んでいけるのか?一連の恋太郎のヘタレっぷりは、しかるべき選択場面の「溜め」であろうからそんなには気になりません。マブラブでもそうだったのですが、心苦しいのは常にヒロインの立場なのです。
さらにフタコイの場合、敵役の公彦が選択次第によっては社会的立場を失うというのが、こう、ずるい!と思ってしまう。しかも良い奴っぽいのが余計歯軋りの元になるというか。これまで、特にわかりやすい悪人が出てきてない世界観ですなーそういえば。そして沙羅双樹の「期限」がね。この手の賭けは、成功しないものなのです。仮に、賭けに勝って思いが通じ合っても駄目になる類でもある。そんな、「どうしようもない」感と「時間の無さ」がわかっちゃいるけど歯痒い。
でも、ゲームのお話だとかアニメの展開だとか関係なしに、良くある事だってのも解っている訳で、つまり唐突に選択を迫られる事は往々にしてある。先延ばしにしたら答えが得られる類のものでもない。だからこそ、観てて苦しくて、それでも「どちらか」選んだ主人公には敬意を持つんだろうなぁと。感情移入って言えばそれまでですけどね。
だから、恋太郎がどんな選択をするのか、それが楽しみにはなると思う。場合によってはブチ切れるような言動かましたりするのかしら?ちなみにマブラブにおけるタケルの冥夜に対する「答え」、個人的には好きです。学園編が「エクストラ」扱いでも全然気にしてなかったですよ?ええ、エクストラでも。EXTRA。