天使のゲーム、小悪魔風。

5月末は結局エロゲ購入なし!という事で、放ったらかしにしていたこの1本をつらつらとやってました。4年越しで待ちわびた、という訳でもなく予想通り淡々とやっている自分がいたり。
系統としては、minoriブランドの処女作「BITTERSWEET FOOLS」に同じ向きを置いているのでしょうか。絵柄の方向性も相田裕高野音彦大槍葦人、遠藤沖人といった面々と似たような所にあると感じました。一連の絵師さんの作風が好きな自分にとっては、違和感もなくイケますね。
また作品自体の一枚絵/立ち絵ともに、時間をかけただけあって?かなり良さ気に仕上がっていたかと。特に立ち絵。キャラの等身とかバランスとか言っていたらキリないんですが、表情も全体像もグッドです。
と、いった感じでビジュアル面ではこの手の作風が好きな人には満足できるものになっている、というのがまず1つ。BSFをもってminoriと考える派には、同じ括りでもって語る事のできるものとなりましょう。
では翻って、内容の方はどないなん?と言われると…うーん、「少し古めかしくて懐かしくて、でも『らしい』お話」といった所か。大ボリュームで満足できるかと問われれば、それははっきりNO。しかし説明不足で不満かと問われれば、それもまたNO。かと言って、じゃあちょうど良い塩梅なんですねと問われれば…それは微妙にNO。つまりは小じんまりとしている、という事になるかな。
題名付きのエピソードが各10分強で読めて、どのルートを辿っても12〜15個程度のボリューム。すなわち2時間もあれば1キャラは攻略できてしまうし、総プレー時間も10時間といったところ。…あれ、文字に起こしてみるとえらく短い印象になるなぁ。実際のところは、前述の通りに小さくまとまったお話内容なので、中身が無いという感想にはならない筈。多分。ただし、長く開いた発売日の間に抱いていた個々のキャラに対する想像とのギャップは、慣れるまでに少々の時間が必要になったというか。
その登場キャラですが。攻略可能なヒロインは3人+1。長く表紙を飾ってきた3人に加えてもう一人いけるというのは、ほんの少しだけ嬉しい誤算でした。しかもなかなか魅力的な従姉妹さんですハイ。眼鏡ON/OFFの選択肢が出た時は思わず笑ったし。しかし、どの娘さんにしてみても小悪魔チックな性格してて、静寂を求める主人公を連れ回して楽しんでいる感があります。可愛い女の子は何をしても良いんですか許されるんですか、と。良いんです!特に2次元では。どのヒロインも同じベクトル性格しているのは逆に新鮮かも。
かように振り回される主人公、基本ヘタレ系ですが事情が事情だけにわかりやすい。暗闇から救ってくれる女の子ってのはこんな感じなんですよ、というメッセージにも思えてきますが。さて。
主観的な判断からすれば、声・性格・立ち居振舞い等、すべてにおいて砂緒が圧倒的な破壊力を持っているんじゃなかろうかと。未憂はその名の通り明るくAIRな展開が、詩希はセンチの七瀬ばりの生活が目を引きます。個人的には、意外に嫉妬深そうな幼馴染2人が主人公・尚を取り合うという妄想に浸りたい!ので、恵・砂緒を軸としたお話が一等楽しめますわ。
さて、何やかんやで褒めちぎった感もある感想ですが、激面白い!(エロい)というゲームじゃあない訳で。そもそも大層な設定がある話ではなく、そういう意味ではminorityに溢れた「らしい」1作と思っておけばそれで良いのではないでしょうか。