実妹はいかにして魂の双子義妹へと昇華していったのだろうか?

読み終わって、まず思い浮かんだ感想は…「表紙絵のキャラチョイス、間違ってね?」…という何とも締まらない突っ込みなのでした。正直な所、ジャケ買いだったのは否めないだけに、余計ビジュアル面での瑣末な疑問点が多くなってしまうという事なのか。まあ、石田アキラ氏が描くところのシンプルあっさり、それでいてナイス目力な女の子は昔から好みなので問題ナシですが!…支離滅裂な文章になってきましたが、要は、表紙絵から「かれん」を外しているのは恣意的なものなのか、はたまた妹系は今や食いつきが今ひとつ、時代はツンデレに代表されるギャップの激しい戦闘系ヒロインですよ?という方針でもっての選択なのか、それが気になるという訳です。
内容については、登場キャラが多すぎて1人1人の印象が薄いとか、複雑怪奇なネタと台詞回しで読みにくいとか、そんな事はないです。ないですが、妙にブツ切りの印象があります。場面切り替えや流れの中に、「間」が少ないのかも知れません。登場人物のちょっとした言動に、妄想を抱いたり萌えを感じたりするのがラノベ的な読み方の醍醐味だとするならば、そのような「間」もなく終わりを迎えてしまうような文章は少し拍子抜けしてしまう感が。
逆に、過剰なキャラ設定にしていない、という観点からすれば、好感ももてますけど。個人的には、戦闘描写も含めてあっさりし過ぎかなぁ、と。変な例えをすると、エロゲじゃなくてコンシューマー。ヒロインが純真というか、一昔前のお約束というか。そんな感じ。
と、いう訳で色々もったいないし激面白いという訳でもない、という感想にはなりそうなんですが…エピローグにおいて、次回に続く的な終わり方をしているのが少し引っ掛かりました。最初は、陳腐なラストと思ったのですが、意外にも良いなぁと。次巻以降へと続くとしたならば、もしかすると化けてくれるんじゃないかな?と期待できる…というと大袈裟ですかね。しかし少なくとも自分は読みたいな、と思いました。ちょっと古めかしいお話とお約束結末、今に至れば少し新鮮かも知れません?