オルタナ闘病記のカーメン・ビート
- 作者: 奥山貴宏
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2003/11
- メディア: 単行本
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それでも内容自体は、この1冊目目にだけ付いてる注釈など、作者の趣味全開部分があってクセ強いかも…しかしそれがまた良いですわ。士郎正宗や永野護好きなら注釈自体がマニアック!みたいなページ構成にも違和感は湧かないでしょうしね。微妙にガンダムネタ多いし。ていうか、入院のお供にガンプラ作りという発想がなかなか斬新…もしかして定番なんでしょうか?他にも、バナナフィッシュ好きな看護婦さんとか、義理の弟がACIDMANのボーカル(!)とか、琴線に触れるキーワードが多かった。ちなみにACIDMANの人は大学普通に行って薬剤師の資格持ってるとの事。そうか、それで…と思わず納得。
これまでプロが書く文章(記事)というのは常に一定の距離感があって、時に頼もしく時に冷たい印象がありました。しかしそんな距離感が、自分にとってこんなにも共感をもって読めるガン闘病記になっている…そこにまずは感心と驚きが。もちろん「諦め」という概念もあるのでしょうが、それだけじゃない現実部分と書かれる事のない部分とのマッチングが心地よいし、それ以前に、何も考えないでサクサク読めるというオカシサがもう堪りません!だって考えてみれば何かおかしいし、不謹慎だし。ニヤニヤしながら読める自分ってどうよ?とか、思いもできないし、やっぱりそれがおかしいって事なのか?…などと、あらぬ方向まで行ってしまいそうに。
シリーズ3作の中でみると、一番荒削りな感じですが…そんな尖りかたが一番面白いっていう人も多いんじゃないでしょうかね。自分もそんな一人。明日、NHKにてETV特集の再放送があるので観なければ!前に見逃してるし。そして、改めて一気読みするか…と思いつつ。