天野喜孝から始めよう

http://novel.no-blog.jp/minkan/2005/09/post_746d.html■ - Something Orangeと、天野喜孝思い出語りを拝見。どうしよう、田中芳樹が無性に読みたくなってきたではありませんか。
やっぱり自分にとっても天野喜孝は非常に大きな存在。お二人の言葉通り、青春時代の象徴と言えましょう。始まりは何と言ってもファイナルファンタジー、エフエフでしょう。ちなみに3が初。ファミコンのパッケージから、どれだけのワクワク感が得られた事か。あの“もじゃった”画風と鮮やかな色彩が、物語の遥かな世界観を凄んげぇ想像させてくれた訳ですよ。情操教育なんて言ったら笑われそうだけど、幼い子供心をも惹きつけるイラストだったんだろうなー、と。
で、小説での出逢いなのですが…実はあんまり読んだ覚えはなくて。田中芳樹つながりで言うと『創竜伝』になるのですが、こっちは文庫で入ったクチなもので。講談社文庫でCLAMP表紙という組み合わせ、当時はかなりのインパクトでした。後は垣野内成美・表紙の『魔天楼』も。徳間文庫では『ウェディング・ドレスに紅いバラ』なんてのが印象強い。何だろう、あの時の自分にとって田中芳樹作品は、中身も読み応えあって表紙も挿絵も綺麗で…いわばライトノベルの理想系だったのかも知れない。
話は逸れましたが、だからといって天野喜孝・表紙の印象が薄い訳じゃないのです。エフエフしか知らなかった自分が、本屋やTVなどで氏のイラストを見て、「お、アマノヨシタカやん」と判別しては楽しんでたり。小説のジャケットから漂う異国世界にはきっちり反応してましたし。中身を読まなかったのはkaienさんの言葉通り、「たまたま」なんですよ。それでも記憶にじんわりと焼き付いている。
そして、ファンタジーはすっ飛ばしておいて夢枕獏の『餓狼伝』に出会っているのが何とも。

餓狼伝〈6〉 (双葉文庫)

餓狼伝〈6〉 (双葉文庫)

しかも6巻からの衝動買い。初めての人間臭いイラストに触れた感覚があったのを覚えてます。今ではコミック版の突き抜けた作風がイメージ強いですけど、この新書版から伝わってくる試合描写はひたすら凄かった。リアルと超人の狭間を上手く表現できているのはやはり天野喜孝でしょう。
と、いう訳で。読んでいた作品、読まなかった作品…どちらにしても、あの天野喜孝の表紙絵が当時、どれだけ自らをファンタジー世界へと誘ってくれたかわからない、のは間違いないです。更には、その後の個人的な漫画・小説・イラスト趣味においても、絶大な影響を受けていたのかも?と考えつつ、以下続く。