途中買いのススメ。

ライトノベルの弱点の1つに、「シリーズものが多い」という意見がある。各レーベルの代表作・人気シリーズの場合、確かに10冊以上に渡る長編となっていて、結果手が出しにくくなるというのは事実かと思う。さて、そんな人に「途中買い」を奨めてみようではないか!…というのが以下の主旨、では無いので。悪しからず。
じゃあ、何の途中買いなのかと言うと、「手違いで」買ったシリーズものライトノベル…という表現になる。要は、「買ってみたらシリーズ最新刊で、話が訳わかんねえ!」って経験ありませんか?という事だ。
今時、そんなお馬鹿な事は出来ない程に情報が出回ってはいるが、それでも間違うタイミングは時と存在するのではないか?例えば、「新装刊」。表紙のデザインをリニューアルして、既存の作品に対する新規読者の掘り起こしをしてみたり、レーベル自体の雰囲気を変えて更なるアピールを試みる…ここで、つい引っ掛かるバカあり。つまり、オレ。
具体例を挙げると、富士見ミステリー文庫のリニューアル時。

寝起きの悪い定休日―DEAR DIARY〈1〉 (富士見ミステリー文庫)

寝起きの悪い定休日―DEAR DIARY〈1〉 (富士見ミステリー文庫)

『DEAR』シリーズを知らなかった自分は、「DAIRY1」という表記を見て、素で間違ったのだった!それ以前にジャケ買い一直線ではあったにしても、だ。当然、人物関係も話の肝である設定やらギミックもちんぷんかんぷん。それでも、短編集だったので本筋では書けない日常シーンに重きを置いていたのが幸いしたのか、単体としても読める作品であったのが当時の印象。
結局、それが元でシリーズ買い揃えた訳だけれど、『寝起きの悪い定休日』から想起したイメージとはかなり違っていて…1から買うのでは味わえない読み方に。「デレ」状態しか知らない状態で「ツン」の部分を読む、みたいな。
いずれにせよ、「中途で買ってしまって、訳分からん!でもまあ良いんじゃ無ぇの?」という評価ではある。個人的には、こんな出会いがもっと意図的に設置されていると、もっと色々なラノベが読めると思うのだが。逆にあざとくなるか?現状では、それらしい「あたり」をつけて試すか、自然にボケ倒すか…どの道、最新刊を鷲掴む事に変わりはない。そうやって経験値積んで、自分の好みを把握できすようになると、古本屋での思いがけない出物といった感じで1巻だけとか、2巻だけとかを手にしたりして。そこでようやく、新シリーズを読む体制になったりする訳だ。
一連の流れのポイントとして、ハナっから読んで育ててきたような感慨とか、大ヒットする前から読んでたぜ的優越感をもっては読めないという事。これは素直に読める点では良いだろうし、新しい何かを探し出す喜びを得られないのは少し寂しいだろうけども…「いつか」のその瞬間、ってのはまた違う感慨があるはず。そんな思いを胸に待ちはするけど今日も『キノ』に『シャナ』はスルー!…そんな日々が、続く。