刻の涙を見た…ような?

シネ・リーブル神戸にて。この映画館で舞台挨拶、というと『雲のむこう、約束の場所』以来の体験でした。生トミノ!生トミノ!と心密かに興奮していた訳ですが、終始和やかな雰囲気でのトークだったかと。「ガンダムとして正しいガイドラインを再構築した」という趣旨の発言にしても、既に何がしかのメディアを通じて聞いた覚えがありますし。SEED/DESTINYに対しての挑発的な感じも殆ど感じませんでした。
会話自体が大人しめとは言え、やはり御大自らの声を聞けたのは思いのほか良かった!後は意外に池田秀一氏が喋ってくれていた事。古谷徹の突っ込みがあってこそでしょうけども。飛田氏は昔、アンジェリークか何かのイベントで見て以来かな?女性客はこの人目当て、ってのも多そうな。
サプライズとしては、ガンバ大阪の大黒選手をはじめ3名が飛び入りゲストとして登場した事。ほかの2人についてはサッカー詳しくない上に似たような名前だった?のでわからず。ゴメンナサイ。右端の人が、「娘の名前がサラというので…」というエピソードはほのぼの。左端の人の発言が一番うけてたかな。大黒は大黒、って感じの受け答えだったなぁ、まあそこが面白いというか味ですね。
で、舞台挨拶が終わって映画開始。新カットからTV版映像への切り替わりが、やはり最初は笑えるほどのつなぎでしたが、話が進むにつれて違和感はどんどん少なくなるというか。新規の映像がかなり多いという事なんでしょうか?TVシリーズは30話前後までを途切れ途切れに見た程度、しかもかなり昔の話なので、どこがどうカットされているのかをいちいち挙げる事はできませんが、それでもわかる「はしょり具合」には少し苦笑。でも観に来てる人で話の大まかな流れを知らない、ってのも稀でしょうから問題にはならないんだろうなぁと。
それに、看板に偽りなしというか、本当に恋の花咲く流れの連続だったのが凄い印象的。どの女性キャラも魅力的でいて、それでいてちゃんと戦争してるのが美しい。強化人間あるいはニュータイプ的な支離滅裂さが逆に魅力的だし、やはりあの感応しあう表現こそがガンダム独特のもので、そこに痺れますわ。男性陣は逆にお茶目というか、思わずオイオイおっさん?と生暖かくなってしまう言動が素敵。エマさん絡みのが一等面白いんですが、しかしエマ・シーンの本心だけが、そういえば謎なんですけど。そのほか個別に拾っていくと、まずロザミアの漢気溢れる台詞に惚れました。ま、守って!フォウは良かったです。上手かったし。サラは、まあアレでアレなんだけど役どころは美味しいっすね。レコアさんの大人っぷりもベルトーチカのお色気もファのツンツンした言動もハマーン様の尊大な態度も、それぞれ良ござんした。
加えて、戦闘シーンという比重なのですが、どれも凄い質感の籠もった迫力のある映像は素晴らしいの一言。カミーユ搭乗のZがそこまで目立っていた感じはないのですが、なめらかな動き具合はスクリーンで見る価値あります、絶対に。ラストも圧巻の引き具合。
という訳で、これぞ新訳という形が見えた内容だったのではないかと。TVシリーズの思い入れ度合いによって印象も変わるんでしょうが、逆にここはわかってるだろうからカットカットという荒業が許されるつくりなのは流石なのでした。最後、カミーユニュータイプの能力を恋にフル活用して手ぇ出しまくりという感想は口に出さない方向で。