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乃木坂春香の秘密(3) (電撃文庫)

乃木坂春香の秘密(3) (電撃文庫)

巻を重ねる毎にスケールアップする乃木坂家まわりの舞台設定とは裏腹に、微笑ましくももどかしい春香と裕人の進展具合は相変わらずなこのシリーズ。ちなみに一番笑ったのは、前回の「おっぴろげ」衝突イベント再び?と思ってたら、あまりのお約束イベントが最後に用意されていた事。まさか21世紀になってこんな描写が拝めるなんて…!とりあえず挿絵のエロさに感服しつつ。
とは言うものの、不思議と読みやすくて楽しい作風なのは変わってないです。ありがち・お約束・狙い気味、な要素も鼻につく事はなく。ポイントの一つである「アキバ系」という単語で表現されるソッチ系趣味については、より大仰にわかりやすい単語で少しすかし気味に。それでいて妙に現実世界とリンクした人物がいたりいなかったり。この辺は妙においしいポジションというか、この作品だからこそできる技といったところでしょうか。今回は注釈いらずの実在人物なので、2巻ほどのインパクトはないものの、知ってる人が読めば反応してしまうんだろうなー、と。
そんなこんなで、裕人をめぐる多角関係はまだまだ動きがありそうな?というところで次回に続く訳ですが。何となく気になったのは女の子たちの「特技」でしょうか。春香が合気道?で美夏が狩猟…という事はライフルか?ドロップキックかましてたけど微妙な。で、椎菜が薙刀メイドさんズは言うまでもなく達人級の体技に加え、チェーンソーやハンマーなどといった個性的なエモノ使い、と。…まあ、これも流行りって事で一つ。