2005年の振り返り・漫画版。

・一番印象的だったヤツ

陰陽師 (13) (Jets comics)

陰陽師 (13) (Jets comics)

12巻あたりから、平安時代を遥か彼方に超え古今東西の魔術師と交錯する場面が非常に顕著に顕れたのですが。よくよく考えてみれば、初期の頃からどことなく兆しとも思えるショートエピソードはあったような気もしますし、そうではなく作者の全くの唐突な思いつきであるならば、それこそもはや天才の領域で作られた作品だろうと。…あとがき読む限りではどうも後者っぽい?どこで神の宿るベレー帽を手に入れたんでしょうかこの人。
何だろう、とにかく完結してくれてホッとするような心持ちがあるのです。最後の方は読んでてドキドキっし放しでした。漫画という面白さから逸脱して、凄みすら感じさせる芸術作品のような…岡野版『陰陽師』恐るべし。


・「神戸」な一冊

一緒に遭難したいひと 2 (ワイドKC)

一緒に遭難したいひと 2 (ワイドKC)

天使のこみっくheart (IDコミックス DNAメディアコミックス)

天使のこみっくheart (IDコミックス DNAメディアコミックス)

神戸が舞台の漫画というと、最近では『神戸在住』がパッと思いつきますが。2005年の新刊は展開がちょっとシリアスな感じでした。
それ以前では、なかじ有紀の一連のコミックですね、やはり。『ハッスルで行こう』などは文庫サイズで久しぶりに読んでみたり。とにかく明るく前向きな作風が変わらずの持ち味で、ほんわかした気分になるのが特徴。少女マンガの古き良き部分をあっけらかんと守っているのが逆に好きなところ。近年はちょっと変わった恋愛模様を描いたりしているけど、根っこの部分というか印象は変わらず、です。
で、西村しのぶ。もはや永野護と並んでゆっくり・のんびりな刊行ペース、それでいてその速度が許される作家。まあカツカツして待つのも何ですしね、というスローな内容なのも大きいですが。時代の流れを逆に実感できてしまう不思議な作品なのでした。
後の一冊はまるで関係のない流れのように見えますが、Leafって意外に神戸っ娘という描写にはこだわりがあったよなーと思ったので。有馬温泉ももちろん神戸市。甲子園球場は西宮市。
作品的には『天いな』が加わって百合度がアップ!ていうか殆ど女の子同士。いいんちょへの愛の深さは相変わらずなものの、いいんちょ×岡田とかちゃん様×あさひとか瑞希×美穂とか、思いもよらない切り口から登場するカップリングがこれまた違和感なし!で面白いっす。編集長×南さんや透子×しーちゃんなど実在の組み合わせもはずしてないしで満足感高な一品でした。あとミニスカ彩とか。天才や…。


・総評
「…読んでないなー、マンガ」と思いました。大判コミックを買う機会が増える一方でジャンプ・マガジン・サンデー系は殆ど買わなくなりました。少女漫画は花ゆめ系一本だったのですが、カレカノ終了でとどめとばかりにLaLaを読まなくなり、本誌の方も新しい顔ぶれについてはノーチェックな状況に。そんな中『ぼく地球』や『ジャパネスク』の続編、『オトナになる方法』の読みきりなどリバイバルが続いたのは嬉しくもあり、今の状況が厳しい?と思う面ありと言ったところ。
その一方で、『ハチクロ』を機にジャケ買いタイトル買いとはいうものの色々な女性系マンガに目がいくようになったのは大きな心境の変化が。今年は更に視点が拡散していくんではなかろうか?と思われますが…どうなる事やら。