『Fate/stay night』第1〜3話をまとめて観る。

何やかんやで楽しみに待っていたアニメ版『Fate』、3話まで観た時点での感想などをつらつらと。とりあえずサンテレビの無駄に力入った自社宣伝とのマッチングが素敵だなーと思いました。本編とは心底関係無い、空気の読まなさ具合がむしろ良い!…のはさておき。

  • 戦闘シーン

成る程、各所で駄目だ駄目だと言われる理由が無きにしも非ずかと。とにかく初見で感じたのは「軽い」という印象。ゲームのの強烈なインパクトが、アニメでは薄まっているな、と。それから見せ方。ランサーのゲイボルクが発動した瞬間、思わず「曲がる意味無ぇ!」と突っ込んでしまいました。その後のアーチャーも、「消える意味無ぇ!」と同じく。映像だけ見たならば、という感想なのですが、ちょっとしたギリギリ感というか緊迫感が少ないようにも思えます。
理由としては、アニメだから可能である動きが、逆に原作の雰囲気に反した映像を作ってるんじゃないかと素人考えで思うのですが。例えば校庭でのアーチャーvsランサー。あの場面の肝は、常識「外」の槍さばきを見せるランサーの猛攻を、あろう事か無数のスペアを誇る両手「剣」で凌ぎ切るアーチャーという「あり得なさ」でしょう。そうした人外の動きを見て、これがサーヴァントなのだと思う凛、という出だしにしてクライマックスの如き展開にいきなり魅せられたものです。そこがアニメではただのチャンバラ、という絵面に。色々な角度から切り結ぶ映像は確かにスピード感もあって、それはそれでなかなかの迫力がありました。しかしそのスピード感こそが、特性のない戦いの「お手軽さ」を生んでいるのではないでしょうか?結果、3話のセイバーvsランサーにも同じような部分が出てくる訳で。
まずはセイバーの凄みについて。凌がれていたものの防戦一方だったアーチャーの剣技とは違い、一方的に押し込める技量と武具を持ったセイバーの戦いぶり…は悲しいかな、あまり変わり映えなしに見えます。戦闘シーンの描写自体はやはり出来が良かっただけに、前述のアーチャーvsランサーの場面がセイバーのそれと上手く対比できるようなものであったなら…と考えずにはいられないのでした。
ゲイボルクに関しては、最初観たときは突っ込んでみたものの、絵で表現するのは難しいだろうなーとも思うところであります。だから駄目だしするよりは自分ならどう表現する?と考える方が良いのかも。
そこでぱっと思いついたのは『るろ剣』の斉藤が必殺技・牙突。あの技を避けた後に、薙いで切る2段技がありましたが、イメージとしてはあんな感じ。「薙ぐ」部分じゃなくて、「突き切る」という描写が重要だと思うのです。つまり如意棒よろしく、どこまでも敵の心臓に向かっていくのでは「避けたのに当たった」という描写が見せにくいという事。ゆえに、とにかくゲイボルクの初手が凄い突き、という絵がくる→見切った!的に避けたセイバー絵→ランサー口元ニヤリで例の曲がる描写(赤い線)→胸元グサリ…のような、ある意味チープな見せ方の方がここでは逆に効果的だったんじゃないかなーと。
こうして振り返るに、『Fate』特有の戦闘シーンをアニメで効果的に表現するという事の難しさを実感できるような感じがあるのですが…。予算とかスケジュールとか、本当に大変な中での製作でしょうし。それでも今後2クールの中で、「これは!」という描写を一つ見せて欲しいなーと希望しつつ。

  • 登場人物

こっちは逆に評判悪くないですね。主に藤ねえ。後は桜可愛いとか。個人的には桜は黒くない…っと、以下略。とりあえず突っ込みたいのはOPの綾子&一成。そんな仲良く登場するから氷室恋愛探偵網にキャッチされてしまうのだよ!直後の慎ちゃんのミスリードっぷり全開な顔も素敵ですが。以下、気になった・気に入った点をいくつか。

    • まずは主人公・士郎。立ち絵のバランスが良いなぁと感心してます。首から胸にかけての逞しさなどは密かにお気に入り。原作よりはクセも少なくて「見やすい」キャラでグッド。
    • あかいあくま・凛。こちらも立ち絵には注目しがちにならざるを得ないですなぁ。あの魅惑の下半身はアニメならでは!第3話で、セイバーにチェックメイトされてある意味一目ぼれ、な描写がなかったのは今後の展開を健全に保つためには仕方なし、といった所なのかも。凛が下準備しての魔力補給とか、どう考えても放送不可でしょうし。
    • 桜。可愛さが怖い。

セイバーはこれからとして、誰のルートになるのか?という点については健全な内容で行く限り、一つに特定しなくてもあまり問題ないような気がしてきましたよ?「抱きしめて守る」だけで済まして、「口移し」や「輸血」といった代替手段で乗り切り、凛と士郎はそれぞれのクライマックスを迎えて最後にお花見…みたいな。ラスボスが混沌とした状況になるのとセイバーvsライダーが問題になりますが、やはり桜を何とか上手く入れてインパクトのあるアニメにして欲しいと思ってしまうのが性(サガ)ってやつなんでしょうね、きっと。