壽初春大歌舞伎を観る。

大阪松竹座にて。今日が千秋楽だったのかな?自分が観に行ったのはお正月近くでしたー。『義賢最期』は何年か前、同じく初春大歌舞伎にて観ていたのですが、当時の義賢役であった仁左衛門が、愛之助をプロデュースして臨む今回の舞台とあっては<昼の部>を観たくなるというものです。以下、個別の感想。

  • 源平布引滝 義賢最期

仁左衛門で初めて観た演目なのですが、その時は本当に死にそうな義賢が最期に一踏ん張りするという印象がありました。それに比べると、愛之助演じる義賢は、わざと病人の振りしてたんじゃない?というくらいの動きの雄雄しさがあって新鮮な感じ。若々しさを隠さず演じているのは全然悪くなかったです。見せ場の戸板に登って落っこちるアレも気合入ってたなぁと。大きさというか立ち姿のインパクトは仁左衛門の方がありそうでしたけど、その分動きでカバーしていたと思います。

とうとう生で見れました「孝・玉」コンビ!そして凄ーい良かった!花道に出てきた玉三郎の美しさに、心底驚きましたですよ。TVでは何回も観ているし、確かに女形として綺麗だなーと思っている「程度」だったのですが…間近で観た時の表情・仕草などは、もう。「美」という言葉を体感できるくらいにハッとさせられました。この人の若い頃などは語り草になりまさぁね、そりゃ。
で、負けじ劣らじ良かったのが仁左衛門の悪役。あの格好よさはちょっと真似できなさそう。いやはや痺れました。お話の後半、すっかりひねた役どころの玉三郎との掛け合いも最高に上手いし。ちょいと咳き込んでたものの言う事なしで面白かったです。まだまだ歌舞伎に関しては初心者もいいとこなので、江戸もの・世話物のわかりやすさというか洒落っ気たっぷりな所が非常にとっつきやすくて良いなぁなどと思ったり。や、古典も面白いのですが、アレは体調が万全じゃないと下手に臨んでしまうってのが玉に瑕でして。せっかくの鑑賞、思わずカクンと首が動くのは勘弁したいですしっ。