ナイカイジンとウチュウ・ジンをよろしく。

うーむ、両作品ともに第一部・完という終わり方なのは少々もったいないなぁと思うのですが。とにもかくにも一区切りという事で、清清しく突っ走ってきた感じがとても印象に残りました。
特に『上等』シリーズの熱さには拍手喝采を!鉄平とゆかりの半年間はまさしく闘いの連続、ていうかテロリストやら対戦車戦やらモノホンの戦闘場面つきでしたし。そんな生と死・愛と死の狭間をある意味ブラックに演出する槍ヶ岳女史の哲学までが、実はとんでもなく熱かった事が『ジューンブライド』で判明。ちょっぴり感動した!と思いきや、結局最後はお決まりのEDに突入なのはお約束か…まあ何やかんやでグッときた訳ですが。それにしてもラストのスタッフロールに漫画つき綴じ込みイラストと、かなり豪華。短編作品として揃えるのも楽しい装丁といい、仕掛けの利いた構成内容といい、最後まで勢いのあったシリーズと言えるのではないかと。
一方の『青葉くんとウチュウ・ジン』ですが、こちらも「結婚」にまつわるストーリー展開でした。相変わらず、一つ一つの話が緩やかにつながりを持った構成で、3巻目ともなると、これが結構楽しめるようになったというか…今後の展開も期待できただけに、あっさりと終わってしまうのはチト残念。正直なところ、笑いのネタ的には微妙だったのですが、青葉とウチュウ・ジンの掛け合いは面白かったかと。あ、あと裏バレンタインの壮絶さとか。ウチュウ・ジンの計算高い天然っぷりは好きなのでした。
てな具合に比べてみると、そこかしこに共通点のあるお話だったかな?意中の相手との恋愛っぷりに、ナビゲーター的存在(槍ヶ岳orウチュウ・ジン)との絡みとの対比。多角関係にならない分、気軽に楽しめるのが特徴といえましょう。一之瀬と青葉の今後とか、作中に話だけあった『エイプリルフール上等!』とか『五月病上等。』とか…色々気になるネタが、またいつか読めれば良いな…と願いつつ。