万能文芸読書娘。

 

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

どうにも消化不良を起こすような内容でしたが、ラストの独白で強引かつ爽やかにに締められては文句の言い様もないのが、何とも憎い一冊ではありました。
再構築が何故12月18日に起きたのか?という疑問については、まさしくタイムトラベルの王道である因果の逆転現象によるはじまりだった、と。解決時の二転三転した展開に関しては、『消失』以降の話で触れられているのでしょうか?キョンとの遭遇はかなりタブーとのような気がしないでもないですが、さて。
しかし、読み終えてみると成程、長門有希が今後のメインヒロインになって「しまう」訳ですわな。単にキャラ的な魅力というだけでなく、ハルヒが所持する能力をある意味凌駕した、という事が大きい。いやまあ、存在としては最初から「神」をも俯瞰するような立場ではあったのですが、親玉である情報統合思念体にすら関与できるというのは驚くべき進化かと。
そんなこんなで、これから先は、めくるめく長門萌えの世界か…と半分は楽しみ、といったところなのですが。ひとつポイントなのは、みくるの存在でしょうかね。仮に『消失』のような事件があったとして、例えば「鍵」がなかったとするならば?そのような状態で介入できるのは、未来人であるみくる、正確には朝比奈さん(大)だけかと思われます。
過去の大幅な改変をよしとしない動きが彼女の活躍を阻んでいるが故に、SOS団のマスコット以上の存在感がない…かも知れません。が!しかし、朝比奈みくるのギミックはなかなか侮れないのでキャラ的にはかなり好きなのです。あの天然ぼけっぷりすらも、「現在」に送り込まれる際に施された処置の副作用かも知れない…などと妄想すれば、かなりいけますし。
いずれにせよ、現行の巻数に追いつかない事には話が見えてこないので、ぼちぼち追いついていこうかと思う次第であります。アニメの方も結局1,2回しか見てないので最終回はせめて楽しみにしておこうかと。寝袋ハルヒの可愛さに悶絶しつつ。