ほどいてサヨナラ

ときむすび (ファミ通文庫)

ときむすび (ファミ通文庫)

たかみち派の絵を見てジャケ買い。透明感のある作風は一見して『青空』を思い起こさせてくれました。実際、序盤の学園青春モノから謎めいた中盤への展開はエロゲもしくはギャルゲに流行った作法ではあると思います。
そういった観点から面白いか?と言われれば、正直微妙でした。これはクライマックスとエピローグがあまりに素直過ぎるのが原因かも。エロゲでいえばminoriの『Wind』っぽい印象。問い詰めは関係ありません。
中ほど、超お約束な三角関係がとても良ろしいだけに、もう少し伝承なり人間関係の裏側と深くリンクしてたら、切ない感動モノになっているのかも知れませんが…意図的に「泣き」を入れないような描写にしているようにも思われますが、さて。
そんなこんなで、つまらない訳じゃないのに、「微妙」という言葉が似合う、何とも不思議な一冊。とりあえず鈴海が胸揉む描写と、まずはスカートから、な夜の校舎は良いと思います。半分嘘。あと、ちょっとした違和感を覚える伏線具合は楽しい人には楽しいかと。そんな奇妙な時を刻みつつ。