ぼ・ぼ・僕らはNEET探偵団♪

神様のメモ帳 (電撃文庫)

神様のメモ帳 (電撃文庫)

その冬、僕はニート探偵のアリスと出会った―

この煽り文句の素晴らしさに惹かれて購入。ニートで探偵でアリスて。これで超つまらない内容だったら『ラブやん』のカズフサばりに、ごぱぁと涙をちょちょぎらせて「この夢見るアリスちゃんが!」と叫んでいた事でしょう。『最近のヒロシ2』読みたいなぁ。
そんな不安は何と表紙を一枚めくったら解消されました。素晴らしいですね、このイラストは!見開きでこのような構図、実にけしからんです。挿絵の方もなかなか良いですし。
内容の方は「音楽の神様」「神様のメモ帳」という単語が出てくる辺り、ちょっとしたノリが伊坂幸太郎チック。話の展開は割りとメリハリ効いてて、かつファンタジーなところは電撃らしくて安心ですが。安心してどうなのかはさて置き。
キャラメイクが「ニート」のため、主人公がどうしてもウザくなりがちなのは仕方ないし、その分脇の多種多様なニート達が濃くて面白おかしいのでバランスは良ろしいかと。要であるニート探偵のアリスは…あざとくても良い、パジャマ着てれば(ズボン無し)…と言ったところでしょうか。外出着については今回の話のコンセプトからすればおかしくないかも知れませんが、普段着とすれば奇妙な。自ら語る探偵の定義に沿っての服装だとすれば、ずいぶんとまたハードボイルドではあるな、と思ったり。
思ったよりもサクサク読めたし、題材にしこりが無ければ手に取っても損は無いんじゃないでしょうか。いっそシリーズ化してカズフサばりの肉体とキモさを獲得するのもまた一興…と思いつつ。