第六試合 巽真vs堤城平

新・餓狼伝〈巻ノ1〉秘伝菊式編 (FUTABA NOVELS)

新・餓狼伝〈巻ノ1〉秘伝菊式編 (FUTABA NOVELS)

久々なんで内容忘れたしなーと保留していたのですが、ようやっと購入。で、裏面の東洋プロレス主催「バーリトゥード・チャレンジ」対戦カードをおもむろに眺めて…
第六試合 巽真vs堤城平
おおおおお!この単語を眺めた瞬間アドレナリン放出で血肉が熱くなってきたー!この組み合わせは危険極まりない…きっと堤の打撃だけで2〜3ページは埋まるとみた。打つ、打つ、打つ、打つ、打つ、打つ…ちいいいやあああ!
と、読む前から興奮し過ぎてたのですが、本編のどっしりとした展開にも思わず「ぬふぅ」と太いため息を吐きつつ、あっという間に最後まで。素晴らしくシンプルな文章に濃い漢たちのまさぐりあいが心地よくマッチングしていてタマランです。
新登場の格闘家も続々参戦してくる訳ですが、何といっても注目はカイザー武藤。第五試合で丹波文七と対戦が組まれているプロレスラーで、読む前は「まあ丹波文七勝つよな」と思わせる人物像なんですよ。実際、プロレスしかやった事のない生粋のプロレスラーで、まさにジャイアント馬場と武藤敬二を足した全日本プロレス的ポジションですし。
ところがまあ、読んでみたらサァ大変。今のままだと、丹波が勝つ気しねぇ。丹波に負けて以降、さらに強くなって帰ってきた堤の方がまだ何とかしてくれそうな感じすらします。第六試合に匹敵する程の危険な試合を予感させて、次巻を読むのが怖い。色々な意味で。
また、第四試合に登場する関根音・第二試合に登場する隅田元丸も両者共にエグい。隅田なんか「体験しておけば、次からは気をつけるだろ?」と気軽に、ばりっ、びりり、ぶちっですからね…。関根vs長田もどっちが勝つか全く予想できないほど、関根の強さが光ってます。つまり、全カードにわたって凄まじい展開が待っている、と。
今巻のクライマックスは第三試合のマカコvs伊達潮男。伊達、熱すぎ。俺も観客としてその場に居合わせたら「まっだらうし、まっだらうし!」と叫びまくっていた事でしょうて。もおおおおお、という咆哮にプロレスラー魂を感じました。同時に、プロレスを総合でやるという意味を、伊達が関根が長田が魅せる―そんな描写に作者のプロレス愛をも感じ取れる気がして。
とにもかくにも、この先は本当にヤバい領域の闘いになる事必至なので楽しみ。地味にスクネ流の真相も明らかになってきてお話としても進んでいるあたりが、何故か微笑ましいんですけど…と思いつつ。