電撃四大青春小説

deltazuluさんの呟きに反応してみました。とは言うものの定番かつ古臭いチョイスになってしまいましたが、電撃文庫で「あ−青春してるな」と感じさせてくれる作品って中々難しい気がしないでもないです。

ブギーポップ』シリーズにおいて、この作品を最高傑作に挙げる人は少なくないと思うのですが、同時に青春小説としても素晴らしい作品。未来を予知することの出来る6人がいかにして出会い行動し、運命に立ち向かうのか?何気ないエピソードが泣きそうなくらいに青春模様してます。何をか言わんや、電撃文庫の金字塔。のみならず、ライトノベル未読者に最も薦め易い作品の一つ。そして夏に読みたくなる本命の一冊。「おかしくて切なくて、どこか懐かしい」のキャッチフレーズ通り、笑える部分の作りこみも本当に凝ってます。妹vs部長やラーメン完食対決など、伝説になりそうな場面が印象的。
わたしたちの田村くん (電撃文庫)

わたしたちの田村くん (電撃文庫)

彗星のごとく現れたラブコメの傑作。“不思議少女”松沢派と“クールなツンドラ”相馬派が、血で血を洗う抗争を繰り広げたのは記憶に新しいところ。半分嘘。中学時代最後の夏と高校一年の春、青春時代の黄金期にそれぞれ出会う一風変わった少女たちとのやり取りに悶えること必至です。「三大小説」だったら上記の作品を即座に挙げて終了なのですが、今年の電撃大賞・銀賞作品を入れて「四大」にしてみました。作風が何処か懐かしい気がするのが要因の一つ。そして新人さんらしい、勢いと粗さに満ちてます。元野球小僧の挫折そして再生、という題材だけで青春の匂いがしますぜ。


うーん、選書のセンスといいネタ元であるリッパーさんの富士ミス四大青春小説には遠く及ばないなぁ。一冊に納まりきるからこそ浸れる作品の余韻というものが重要な要素ですし。富士ミスにしろ電撃にしろ、終わる事の切なさともう一度始める前向きな姿勢という点では同じような空気を感じるんですけど、電撃は「非日常の中の日常」寄りかな?奇跡みたいな偶然の出会いといっても、UFOだったりMPLSだったり夢魔だったりと別の意味で非日常過ぎです。そこが「らしく」て良いんですけどね…と思いつつ。