蓮の花咲く恋の行方

陰陽ノ京〈巻の4〉 (電撃文庫)

陰陽ノ京〈巻の4〉 (電撃文庫)

わかっていても、切ないものは切ない。ボリューム的には中短編のシンプルな物語でした。少女の危険と紙一重の想いを、まわりの大人たちが右往左往している中で渦中の人物、清良と時継があくまでも真っ直ぐに向き合ったのは賞賛に値すること。「祓う」以外に、陰陽師は何を出来るのか?保胤をはじめ色々なやり方があって、しかもそれが常に正しいとは限らない。それでも、どこかに「優しさ」が存在している…のは筆者の言わんとする所でしょうかね。そのような少し甘めの作風、嫌いじゃありません。
そして、前回からの引きは期待通り…というか期待以上でした。もう次は保胤君もですね、そろそろ年貢の納め時かも知れないと思うとワクワクするような、若干残念のような、まだどう転ぶのかが読めないのですが…とうとう4年振りに新刊登場という訳で、何はともあれ2人の「進み具合」に注目しつつ。