風に乗って鳥に還る

陰陽ノ京〈巻の5〉 (電撃文庫)

陰陽ノ京〈巻の5〉 (電撃文庫)

今週はまさに『陰陽ノ京』漬けな日々。最新刊である<巻の五>、何年ぶりであろうと変わらぬ作風・登場人物だったので、通しで読みつつ待ち構えた事にさしたる意味は無かったとも言えます。まあ久々ノンビリまったりと読めたので好しと言ったところです。
しかし何とも優しげなゆったりとした読後感は変わりませんなぁ。人によっては、甘すぎる性質に入るシリーズかも知れないですけど、鬼の理・人の理・妖の理がほのぼの交わるやり取りは和みます。優しすぎる陰陽師モノ―それで良いじゃあ御座いませんか。
今回のテーマは、ずばり「鳥」。錆が可愛いし、猛丸も良い味出してます。もちろん天狗トリオも。小五郎天狗などは、見た目美少年で声は老人のしゃがれたの…となると某ごしっくのヴィクトリカを連想させます。つまりナイス。
そして新キャラクターにして今回の重要キャラである「天一」は…良いっすね、とても。晴明とのやり取りに軽い違和感があったので、話が進むつれ成る程という展開。これが伏線だとするならば、さても気の長いもの。新刊が出て天一が出たとするなら、ただただ感謝です。ちなみにこうして漢字表記だけだと、どうしてもラーメン屋にしか思えないなは如何なものか。「てんいつ」です。後、最初と最後の酌み交わしあいが良い対比になっていて面白い。梨花の若々しい容姿の秘訣は、まさに酒にありとわかった事ですし。
緊迫の事態という説明文に関しては、確かに危機一髪というか紙一重な事態だったなーと思いますよ、やはり。特に保胤にとっては。なので保胤の態度はもちろんの事、時継との関係もそろそろ進展しそうな?予感。ちょっとは良平見習って…いや、貴年君とのラブ具合はちょっと微笑ましい通り越して熱いのです何ですが。とにもかくにも、ゆったりと2人の関係を、平安の陰陽師たちの物語を見守っていければ…と思いつつ。