わたしはわたしが大好き

キラレ×キラレ (講談社ノベルス)

キラレ×キラレ (講談社ノベルス)

何となく語感が似ているなぁと思ったのですよ、うっうー!さておき、バッテンシリーズ第2弾。『ZOKUDAM』もそうだったけど、妙齢の女主人公と天然年下くんコンビが作者の最近のツボなのでしょうか?年を気にする言動が多くて、それはそれで可愛いのですけどね。今までのシリーズでは年齢を超越した美貌&天才の持ち主、というキャラクターが多かったから、それに対する反動…かも知れないし、単に長年森ミステリィを読んでいるファン層の年季を考えて…というサービスかも知れない。サービスになるのかはともかくとして。
三十代の女性に共通するもう一つの要素は、ありそうで案外たどり着けないシロモノなのかも、と妙に納得できちゃいます。いわゆる倫理上の…って奴です。そこから展開していく事件の流れと解決に至っては、ややこしい事もなくシンプル。物足りないという以前に、近年はずっとこんな感じで拘らないつくりですよね。その分、キャラクターの掛け合いと独特の詩的表現で魅せてくれる、と。あーでも、例えば今回なら「香り」についての顛末などは、凄く「らしい」描写だなーと思わずニヤリとさせられました。
しかし、終盤の疾走感はちょいとドキドキするものが。前回といい今回といい、探検めいた要素がシリーズのポイントになったりするんでしょうか?それから小川さんの揺れ動く女心ね。男性のちょっとしたところに目がいく「視点」がシリーズ的には新鮮と言えます。浮世めいた部分での繋がりがこれまでは多かったからなぁ。
シリーズの結末だけは、今までのシリーズを読んでいると何となく想像できる…というか萌絵とか保呂草あたりの動き次第なのですが、そういう意味で繋がりを感じると言えば感じるよなーと何となく思えた1冊でした。何のかんの言って、今後も追いかけていくのは間違いない。もちろん小川さんの、例えば恋だったり仕事だったり、微妙に揺れ動く姿などもほんのり期待しつつ。