獣狩人

ケモノガリ (ガガガ文庫)

ケモノガリ (ガガガ文庫)

えーと、とりあえずマルドゥック・ヴェロシティの帯を取り外して、いそいそと付け替えてみても良いくらいの虚無感。そして愛。狩りの結末と交わらない運命に抗う少女のその後が読みたい、とふと思ってしまえるくらいには面白かったです。どうってことないね、永遠。
セガールとか七夜とか、いわゆるルールブレイカーが閉鎖空間で覚醒するお約束展開も、作者特有の外連味が効いててニヤリとさせられます。カトル・カールちっくなエンターティナーもあえて王道をついてきて興奮せざるを得ません!その「後」がまた印象的でしたなぁ。収束させてしまうのも意外なお約束ではありますが、そこを外さずの芸風は流石としか言えません。B級ホラーにマッチングした作品を『交錯都市』『ケモノガリ』と2ヵ月続けて読めたのは中々美味しかったです。
ちなみに鹿の肉というと、むしろストレートに666の旦那が出てくるんですけど…と今頃鹿肉パーティーを開いている奈須きのこ御大周辺に思いを馳せつつ。